美容室は「インフラビジネスのポジション」を死守するべき

読者からの質問

こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)

「高単価すぎる美容室で売上が上がらない場合の蘇生術」の続きです

これまでの記事はこちらからどうぞ

Iさんへの処方箋はひとまずこの記事で締めですね

もらった相談は「結果が出ていないからメニューをイジってみようと思っているがどうか?」ということだったんですが、そうじゃないし見落としていることが他にもたくさんありまっせ。というツッコミを上記の記事にまとめました。

 

この記事では、

・イジるのはメニューではなくビジネスモデルそのもの
・最強のビジネスはインフラビジネスである

という話をします

メニューとか、集客とか、技術、接客などは美容室というビジネスにおいては枝葉の部分でしかありません

葉を育てたいなら幹からであり、ビジネスにおける幹とはビジネスモデルになります。幹が腐ってるとなにしようが葉は育ちませんから、修正するべきなのはここなわけですね

ビジネス知識がない人はどうももっとも手のつけやすい「テクニック的な部分」に注目しますが、テクニックなんてスパイスでしかありませ。成功にはさして関係ないんですよ

というわけでビジネスモデルについての理解をちょっと深めていきましょう。

特殊なビジネスモデルは一般人には荷が重い

Iさんの店の問題点はいくつかありますがざっくり言っちゃうと、

・数字の目標がない
・特殊なビジネスモデルになってしまっている
・そのモデルの売り方が整備されていない
・コンセプトが表現されていない
・コンセプトが表現されていないので選ばれない(集客できない)

Iさんはメニューをイジることによって解決しようとしていますが、メニューなんて実は全く関係ないわけです

補うべきはビジネス知識とコンセプトの表現

そしてビジネスモデルがしっかり作れてしまえば、上記の問題はすべて自動的に解決します

しかしながらビジネスモデルに手を付けないといけないので「大改修」が必要な状態であり、失敗すると店がなくなります(苦笑)

なんの特徴もないモデルなら後でいくらでも補修できるんですが、Iさんのように特殊なモデルでスタートしちゃうとこのようなリスクがあるんですね。修繕が立て直しになるのです。

 

特殊なモデルは時代の変化にも対応しにくい場合があります

Iさんの場合は「髪質改善トリートメントで超高単価」というモデルですが、髪質改善が陳腐化して当たり前化し価格がドンドン下がる時代になると、髪質改善という商品を売るIさんの店は優位性が崩れます

その時に変化が求められるわけですが、商品に依存しているとまあ変化しにくいよねって話です。超高単価を維持できる美容室の商品ってそうはありませんし、商品入れたら終わりなんでライバルも当然やります

美容室業界は「商品と人を売るビジネス」ですが、これは時代によって比重が変わります。

ものすごい雑に時代の変遷の例を出しますが、

「カリスマ美容師」という言葉が流行った90年代後半はまさに「人」や「ブランドと言う法人(有名サロン至上主義)」を売る時代

それがだんだんきつくなってきて今は商品(もっとも流行っているのは髪質改善というキーワード)がフューチャーされている時代です

ちなみにもうすでに時代は「人」にかなり戻りつつあります。ただ戻るのではなく今まであったものを踏まえて乗り越える形ですが。ただ戻るだけだと退化ですからね

僕が今から独立するなら人にフォーカスした方法で独立しますね。個人美容師にはおいしい時代です

まあ個人美容師はいつだってそこそこ美味しいんですが(経費も安く、動きやすいし、年収1000万とか簡単なんで)

 

美容室というビジネスは人か商品を売るものですが、どちらにせよ柔軟性があった方がいいんですよ

特殊なモデルはそういった意味でも一般人には荷が重いのです。一般人には荷が重いというのは前回の記事でも触れましたよね

特殊に見えるビジネスでも常に上手くいってる個人や組織ってフタを開けるとベタベタにオーソドックスなもんですからね。コンセプトが強烈なだけで。

コンセプトが作れない、表現できない人が特殊なことやり始めて、タピオカ屋さんみたいなことになっちゃうのです(苦笑)

本人はコンセプトが強烈なビジネスを真似してるつもりなんですが、実は真似できていないというのはよくあることです(そもそもコンセプトはパクるものではありません。パクるのはビジネスモデル)

ビジネスモデルをパクるのもビジネス知識ないとできないんですよ。

美容室はインフラビジネスである

重要なことなので口酸っぱく「特殊なビジネスモデルはしんどいですよ」って話をしましたが、僕が今回したかったのは「美容室はインフラビジネスですよ」ってことです

美容室ってインフラなんですよ

インフラとは電気、ガス、水道、道路、鉄道などの交通設備、電話やインターネットなど、生活に欠かせない基盤となる設備やサービスのことですが、美容室ってないと困りますよね?

こんなにいらないけど世界から美容室がなくなると困っちゃう。ということは美容室というビジネスってインフラビジネスなんですよ

インフラが言い過ぎなら準インフラくらいの重要度はあるでしょう

入院した人が口をそろえて言うのが「髪の毛切りたい、白髪気になる・・・」ですし、院内に美容室があったり、外部から美容師を呼んだりしていますが、体がヤベえ状態でも人間は髪をどうにかしたいものなのです

「髪を切る」とは人間の根源的な欲求の一つであり、美容室というのはインフラビジネスと言っちゃってもなんら違和感はないでしょう。

 

「美容室がインフラに近いビジネスなのはわかった。だからそれがどうした?」

という声が聞こえてきそうですが、インフラビジネスって美味しいんですよ

・欲しくさせる必要がない
・ボッタクれる
・定期的なリピートが前提

このような特徴がある、もしくは強化されます

要はビジネスがインフラビジネスでないものよりも簡単になります。

 

まずそのサービスがないと困るわけですから「買う前提」ですね

問題はどこから買うか?というものであり、選ばれればもう買ってもらえるわけです

これがなんでもいいんですが、例えばダイヤの指輪とかだとまず「欲しくさせる」ことから始めなければいけません

インフラは高単価にしても売れます。悪い言い方をすればボッタクれます(笑)

例えば今ロシアとウクライナが揉めてますが、イタリアの一部では電気料金が4倍になって10万円とかになってますが、それでも払うんですよ。だって電気ないと困るから。

日本でも水源地が外資に買われてたり水道局を民営化しようとしてるようですが、まあそれは別の話ですね(そんな世界になっても困らないようにお金は稼げるようになっておきましょうね。水道代10万でもみんな払うしかないんだから)

最後に定期的なリピートが前提です。電気や水は毎日使いますから言うなれば毎日リピートしますよね

髪は伸びますから周期の差こそあれど、髪を切らない人間なんて僕は引きこもり以外に見たことはありません

ここで相談者のIさんの話に戻りますが、Iさんの美容室は「髪質改善トリートメント屋」という美容室には見えないモデルになっていますから、「インフラビジネスというおいしい立場を自ら捨てている」のです。

最強のビジネスモデルとは「高単価なインフラビジネス」

もっとも最強で楽なビジネスモデルは「高単価なインフラビジネス」です

もちろんほとんどのビジネスはインフラではありませんから、どうやってもこの立場になるのは不可能です

(「その人にとってなくてはならないビジネス」になることは可能でありそうなるべきですが。例えばヴィトンなんかはヴィトンが好きな人にはなくてはならないビジネスになっているわけです)

しかし美容室は「単価1万くらいのインフラビジネス」になれるんですよ

そのポジションから自ら離れるなんて悪手以外に言いようがなく、どんなにビジネスが上手くてもこの美味しいポジションから離れるなんてありえないんですよ

髪質改善のパイオニア、5年ほどで全国に500店舗になったディアーズさんですらこのポジションから離れてはいません。むしろ離れていないからここまで拡大できているわけですね

ディアーズさんは髪質改善トリートメントサロンですが、トリートメント屋にはなってませんからね。メニュー見ればわかるけど。

Iさんがやるべきはビジネスモデルの見直し

Iさんにはメニューの相談をされたのでそれには答えましたが、僕が提案したのは「ビジネスモデルの見直し」です

この記事で話した「メニュー改善案その2 ビジネスモデル変更プラン」がそうですね

ビジネスモデルを見直す場合は、本当にすべてを見直して作り直すことになります。なんだったら名前を変えてリニューアルオープンしたいレベル

なので結果が出ていない現状でそれをするのは危険ですから、ひとまずは現状のままで成功を狙う「メニュー改善案その1 ビジネスモデル維持プラン」も提示しましたが、ぶっちゃけこれはこれで難しいと思います

当たれば個人で月200万売り上がりますが、労力がすごい。単価が高すぎるので集客しにくいですから発信を超頑張らないといけないし、価格分の価値を感じさせるのは難しい(美容師の仕事は髪質を超えれないので原理的には価値を感じさせにくいモデルです)

あんま長く続くモデルではないなと思います

月200万売り上げたいのなら「メニュー改善案その2 ビジネスモデル変更プラン」で雇用したほうが遥かに楽でしょう

僕だったら雇用すらめんどくさいのでしないけど(笑)

個人美容師の年収は1000万くらいなのでそれで納得するか、それ以上ほしいなら美容師やめる選択をしますね。僕はやめる選択をしたわけですが。

現時点で人生の着地点をどこに持っていくか?を決めておかないと、ビジネスモデルも作れないんですよね、ブレちゃうので。

最初の話の「数字の目標を決める」につながってくるわけです。

 

ビジネスというのはうまくいけば勝ちであり、勝てば方法はなんでもいいんです

しかしIさんは以前の勤め先のやり方で独立しましたが、うまくいっていない状態ですからそれに固執する必要はないでしょう

むしろ、今のやり方(超高単価で商品を売るモデル)だから詰まっている印象です。以前の店はそれで上手くいっていたそうですが、「ビジネスのうまい人物が作ったタピオカビジネス」であるということです

タピオカみたいなビジネスの基本は「流行りに乗って美味しい時期をかっさらい、都合が悪くなれば撤退すればいい」んですよ

しかし美容室というのはインフラに近いビジネスですから、基本は一生涯続ける前提にしていくものです

そういった意味で言うと今のモデルはそうではないと思います。特殊すぎ。

 

僕であれば安全策をとるか、賭けに出るかの2択を考えますが、どちらにせよ新規客が呼べないとうまくいきません

新規客の数が少ない今はイコール集客力がないんです

ビジネスモデルの改定と新規集客を同時に行うのはリソース的にもビジネスレベル的にも不可能なので、価格はいじらずに見せ方を変えて新規集客を伸ばすのが安全策でしょう

しかしながら、ビジネスモデル的に新規客が伸ばしにくいというジレンマもある状態なのでぶっちゃけ結構めんどくさい状態です(苦笑)

とはいえ今の単価で予約いっぱいにすれば個人で月200万売上れるわけですから、安定させることさえできればかなり美味しいモデルではあります

なので、とりあえずそれでやってみろというアドバイスに着地したわけですね。

 

ではでは「高単価すぎる美容室で売上が上がらない場合の蘇生術」でした

今回は高単価すぎる事例でしたが売上が上がらない美容室はだいたい同じことしてるので、お悩みの方はぜひ熟読を。

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齋藤慶太

齋藤慶太

27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営、情報発信ビジネス、メディア構築など、「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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齋藤慶太

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27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営・情報発信ビジネス・メディア構築など「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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