こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)
1年ほど前に美容室の開業相談でメールをくれた人が先日わざわざ会いに来てくれました
こういうのは嬉しいですね
この時の相談は記事にもしています
地方都市で条件も悪くない物件を見つけれて1人スタッフを連れて独立されたんですが、速攻で140万近い売上を上げたそうで。
僕はオーナースタイリストが120万の売上を上げるのを1つの基準としていますが、無事それはクリアされたようで、よかったなあと。
あとはスタッフが80~100万上げてくれれば店の売上はマックス値付近になり、さらに人を雇用するならそれを考えていく段階になります
(最終的に3,4人ほどが働くサロンを想定されているようですし、広さ的にもそれくらいは働ける)
わざわざ会いに来てくれましたし、相談メールも送ってくれたので現状の整理&今後の僕なりの1つの指針しめせればと思って記事にしてまとめてみようかと思います
一応、個人美容師になって年収1000万を目指す方法はまとめてあるんですが、これはあくまで一般論
個人個人の状態や環境によって本筋は同じでも若干の脇道にそれつつですから、そういった意味でもケーススタディは非常に参考になりますからね
これから独立を目指す人はぜひ参考に。
上記の記事と合わせつつ、学んでいただければと思います。
美容師レベルが高いSさん
Sさんが1年前に独立相談のメールをくれた時はこんな状況でした
・地方都市で面貸しに近い形式のサロンで勤務
・売り上げは100万。店の価格的にそれ以上は無理
・給料は美容師としてみれば良い方
・美容師レベル高い
・地元で独立したい
・フリーランスはまだ少ないし自分で店を出したい
・自分の集客メディアはない
このような状況であれば独立を考えるのも当然というもの。そこでこのブログを見つけ、相談をくれたというわけですね
で、1年ほどの準備期間を経て、スタッフ2人で140万売り上げる店になれたと。
この時僕がアドバイスしたのは大雑把にまとめるとこのようなことでした
・独立するなら今の店の近くで
・ビジネス知識がないので1年ほど学ぶと良い
・自分のメディアがないので作って今の店で集客できるように
・テナントは契約しなくていいから見ておくと良い
・金策の準備と手続きを確認
・基本は1人で独立を推奨。家賃も高いところは避ける
詳しくはこちらの記事で書いてます
Sさん自身は前の店の顧客を連れていったのもあり、もはや売り上げはマックス値
120~140万の間をキープできれば良いので、Sさん自身の売り上げをどうこうという段階ではもうない状態でした
美容師力が高いとすぐにこうなるので大変に楽。むしろそうでないなら独立なんてするものではありません。
というわけでスタートアップに成功したSさんの次の課題は「スタッフにいかにして売り上げを上げさせるか?」というものです
開店してすぐにスタッフ2人で140万の売り上げですから、スタッフ1人頭70万というのはスタートとしては悪くはありません
しかし十分ではありませんし、単価や現状のスタッフ数で言うと月220万ほどは達成するべき店です
Sさんが120万の売り上げ、スタッフが20万の売り上げという現状ですが、これをSさん120~140万、スタッフ100万で合計220~240万にいかにしてもっていくか?
というのがSさんの今後の課題となります。
これを達成できればSさんの年収は最低でも1920万になりますし、Sさんの店は3~4人は働ける大きさなので(坪数20ちょっと。空間にゆとりをもつなら3人までですね)スタッフ3人だと年収3000万くらいにはなります
まあスタッフにいくら渡すか?でもう少し下がりますが。
100万の売り上げを上げさして最低でも40万持って帰らすと良いでしょう。その場合はもう少し年収は下がりますが、それでも小規模美容室経営者としては十分なくらい残ります
というわけでがんばりましょうSさん。
Sさんのサロンの成長戦略
まずSさんのサロンの成長戦略を整理するとこうです
・自分の売り上げをマックスにする
・今いるスタッフの売り上げを100万~にできるかやってみる
・やる気のある美容師をフリーランスで1人雇用し、売り上げを100万~上げてもらう
・4人目以降も雇用したいなら同じ方法でご自由に。
Sさん自身の売り上げはほぼほぼマックスなので後はこれを維持すればよくて、現状の課題はスタッフの売り上げです
以前の店から引き抜いたスタイリストが100万を上げれるか試してみる
そして無事売り上げたらなにも問題はありませんから3人目の雇用を始めて、100万が無理そうなら諦めて(笑)これまた3人目の雇用を始めます
ここはこの記事のメインの話になるので後述します。
スタッフの雇用について
スタッフの売り上げは雇用した時点でほぼ結果が出たようなものです。なので美容室経営は雇用がすべてといっても言い過ぎではありません
雇用に関してはすでに記事にしているので、まずはこちらの2つの記事で基礎概念をおさえておいてください
僕は美容師が独立するなら「フリーランスが集まるサロン、もしくは個人サロン」を作るしかないという立場ですが、Sさんがこれからやっていくべきことも「フリーランスが集まるサロン、もしくは個人サロン」を作ることです
Sさんは雇用してるし1人でやるには少々大きい店なので作るべきは個人サロンではなく、フリーランスが集まるサロンですね
まあ家賃が坪数のわりには安いので1人でできなくもないんだけど。(田舎ってこの点が良いです。家賃聞いてびっくりした)
そしてフリーランスが集まるサロンを作るのであれば人材は「やる気のある美容師」を雇うことになります
やる気のない美容師のフリーランスなんて売り上げ上げてくれないので。
なので3人目は「やる気があり、フリーランスという形式で働きたい美容師」を雇用することになります。
これからのSさんの具体的行動
Sさんは髪質改善などの「どんな美容師でも売り上げが上がるシステム化」を行っていないサロンなので、フリーランスが集まるサロンを作ることになりますがその場合、スタッフのやる気、実力、この店で働きたいと思ってもらえるSさんと店の魅力が生命線となります
この店で働きたいと思ってもらうには、
・高待遇
・美容師としての成長の予感
・独立するよりここにいたほうが良いと思われる安心感
・Sさんの人間力
があれば良いです。まあこれは当たり前ですよね
給料めっちゃよくて、休みも多くて、仕事にストレスなくて、リスクもなく、リーダーが超いい人だったら誰だって「ここから出たくない」って思いますから。
僕だってそんな場所があれば自分で独立なんてしませんでしたし。
そんな店を作って能力のある人材を雇えば経営は安定するのは言うまでもないでしょう。
なので重要ですから繰り返しますが、Sさんの成長戦略の全体像は以下なわけです
・自分の売り上げをマックスにする
・今いるスタッフの売り上げを100万~にできるかやってみる
・やる気のある美容師をフリーランスで1人雇用し、売り上げを100万~上げてもらう
・4人目以降も雇用したいなら同じ方法でご自由に。
その土台として、
・高待遇
・美容師としての成長の予感
・独立するよりここにいたほうが良いと思われる安心感
・Sさんの人間力
これらのものが必要というわけですね。
スタッフの実力を判断する
Sさん自身と店を魅力的にするのはSさんに頑張ってもらうとして、今の課題は今いるスタッフの売り上げと3人目の雇用です
そして土台として「スタッフのやる気、実力」が雇用の生命線
これをどう判断するか?ですが、実は結構簡単
・売り上げが100万ある
・ブログやSNSなどの自分のメディアを持っており、精力的に発信している
この2つがクリアされていればそのスタッフは実力とやる気があります。なので性格に問題がなければ雇用して良いです
こういうことがわかっていれば、あとは逆算でSさん自身が何をすればいいのかが見えてきますね。
今いるスタッフの実力を判断する
Sさんはすでに1人雇用しちゃってるので、まずはこのスタッフの実力を判断していきます
現状で売り上げが100万超えていないし、自分のメディアで発信をおそらくしていないので実力、やる気はないと判断せざるを得ないんですが、ひとまず売り上げを上げれるか様子をみます
自分で精力的に発信していない人に「ブログやSNSやって自分で集客しろ!」とか言っちゃうと速攻で離職されるので(苦笑)このスタッフへの新規客はこちらで用意することになります
自分のメディアで集客した新規をスタッフにまわすとリピートしませんので、基本的にはポータルサイトやweb広告などで個人の色がないメディアから集客します
(システム化してるサロンじゃないと超難しい。実力のある美容師を雇用すれば集客も自分でやってくれるので楽なんですけど・・・。だから実力のある美容師をフリーランスで雇ってやめないようにするわけですね)
Sさんの店はホットペッパーもやってるのでそれで来た新規客は全部スタッフにまわします
売り上げが順調に伸びるなら半年~1年で100万になります
3か月ほどしても売り上げの伸びがいまいちならばその時点で諦めて、3人目の雇用を始めます。
オープニングスタッフは特別扱いもあり
Sさんの売り上げはマックスなので変わらず新規はそのスタッフに回すことになりますが、基本的にはいつか100万になればいいなと暖かい気持ちでいましょう(笑)
売り上げが上がらない場合はもう仕方ありません。システム化しない限り無理なんであきらめます
暇な時間はヘルプに入ってもらったりとか、店の雑務をやってもらうアシスタントをしてもらえばいいのです
やる気のない美容師ってスタイリストをそもそもしたがらないので本人もそのポジションで満足したりもします
3人目を雇用した時に、いっそのことバリバリスタイリストではなく、そういったアシスタント的ポジションを提案してもいいでしょう(もちろん給料面や待遇面でもそういった物を作る)
雇用段階でミスってるわけですからその子の性格が悪くない限り、活躍の方法を提案するのは悪いことではありません
オープニングスタッフだからこその特別扱いをするわけです
特に女性の場合、わりと喜んで長いこと働いてくれたりしますし、1人くらいはそういったアシスタント的ポジションの人がいると助かることも多いもの
店のオカンを目指してもらいましょう。(別に男のスタッフでもそれでいいです)
3人目の雇用
今いるスタッフが100万円を売り上げるか、上げれなそうならすぐに見切りをつけ3人目の雇用を始めることになります
繰り返しますが、Sさんの独立スタイルは「フリーランス美容師が集まるサロンを作る」ですから、雇用する人材は自動的に「やる気があり、フリーランスという形式で働きたい美容師」です
そしてその判断基準は「売上100万円を上げており、自分のメディアをもっている美容師」ですね
売上は自己申告なので嘘つかれたら知りませんが(苦笑)メディアを見れば売上を上げれそうかは一目瞭然ですし、性格もだいたいわかります
この条件に当てはまり、性格に問題がないのであれば雇用してok。顧客を連れてこれないとしても、すぐに売上を上げてくれます。
もし4人目も雇用するのなら、3人目が売上100万を超えた時点でまた同じ人材を探して雇用するだけです。それでまた同じ結果が出ます
仮に売上100万を上げない場合は、「そのスタッフの実力を見抜けなかった」ということですが、雇用時点で売上100万上げていて、自分のメディアで精力的に発信している人材がそうなる可能性はかなり低い
雇用する前にメディアを見ればその子の実力もわかりますしね。
「フリーランスという形式で働きたい美容師」のニーズはふえていく
「やる気があり、フリーランスという形式で働きたい美容師」をどうやって雇用するか?ですが、これは冒頭でリンクしてある記事の内容が理解できれば自ずとわかることでもあります
これからは「フリーランスが集まるサロン、もしくは個人サロン」がふえてきますから「フリーランスという形式で働きたい美容師」もふえてきます
てゆうか美容師はそれが一般的になります、現時点でもフリーランスが当たり前化してきていますからね。Sさんは田舎の地方都市ですが、そこでもフリーランスはここ2年ほどでかなりふえているそう
ただ、実力のない人も多いようで派遣美容師しながらフリーランスしてるという美容師も多いらしいですが(苦笑)
実力のない人はフリーランスではなく、「システム化された美容室」か「大衆サロン」で働くべきです。
なのでフリーランスが集まるサロンを経営するのなら「やる気のあるフリーランスしたい美容師」に認知してもらうだけであり、その方法はもはや何でもいいんです
僕がフリーランスが集まるサロンを経営するならブログ、YouTube、インスタ、音声配信メディアで日頃発信しますが、それで求人するだけです
待遇とこんな人来てくださいって書くだけ。これで欲しい人材が来るまで待ちます
来なかったら来なかったでメディアの発信力がないと判断してメディアを作り直すか(集客できているなら考えられないけど)この地域にはフリーランスしたい美容師がいないんだと判断します
別に売上は上がってるわけなんで人が来なければ「それはそれで別に構わない」ってスタンスです
小規模美容室はこういった開き直りができるように設計しているべきとも言えます。だから僕は美容室なんて小さくやることを強く勧めているんですね。
というわけでシンプルな戦略でしたが文章にすると長くなってしまいましたね
Sさん読んでたらがんばってください。僕であればこうします。
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