こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)
今日は僕の美容室のリアルな経費を公開しようと思います
経費の計算というのは利益を予想する時には当然いるものですが、経費がどれくらいかかるか?というのは案外予想しにくいですよね
ですがビジネスモデルや店の大きさ、売上規模によって変わりますが、1つ例を知っておけばある程度は予想できるようになります。
このブログを読んでいる人は「個人ビジネス」をやろうとしている人が多いと思うので(てゆうかこれからの時代は大きくやるものでもないです)結構参考になるんじゃないかなあと思います
ビジネスの経費なんてどんな業種でも大きくは変わりませんし、今回公開する数字は経費として申告できるので、税金面でのちょっとした知識にもなります
僕の店は美容室なので、美容室をやろうとしている人はもちろん、店舗系のビジネスを考えている人には特に参考になると思います。
うちの店の規模感
まず前提として僕の美容室の規模についてです。規模で経費も変わってきますからね
・坪数10坪(マンションでいうと15帖くらい)
・席数3、シャンプー台1、スタッフ1人(僕)
・売上100~110万円
・月の総客数100~130人
という感じ。美容室としては僕1人で営業してるので小規模です。
毎月かかる経費
わかりやすいように毎月かかってくる経費を「固定費」
固定費でも変動するものを「変動固定費」
たまにかかる経費を「その他」とします。
固定費
家賃 100000円
ネット代 2027
ツール代 13824
広告費 エキテン5400 ホットペッパー39550
借金 87000
毎月固定でかかってくるものがこんな感じです。
家賃
坪単価1万円が相場と言われています。うちは10坪なのでまあ普通ということですね
駅から3分、1階なのでまあ安いほうかもしれません
経費として一番大きくなりやすいものですが、あんまりケチるとテナント条件が悪くなるので、ある程度割り切りがいる経費です
ネット代
もはやインフラですね、ネットがないと話になりません
光回線だとだいたい4000~6000円くらいで契約できますし、電話もひかり電話にすれば電話込でそれくらいの料金になります
あと回線が安定してますね。
ツール代
これはネット予約のシステム代です。うちが使ってるのは「カミングスーン」というシステム
予約はスムーズにいつでもしておかないと来店率が下がります。人間ってホントにズボラなので。
広告代
うちは有料の広告はエキテンとホットペッパーをやってます
エキテンは5400円で安い割にはまだ来る方なので、別にいりませんが継続しています
ホットペッパーは確か下から2番目のプランだったと思います。高いプランにしてもたいして集客力かわりません
うちの地域だと一番高いプランは25万円だったと思いますが、アホなのかと(笑)こんなもん払ってられません
広告費で経費圧迫するのが潰れる道への第一歩です。いかに自社メディアや安い広告費で人を呼べるかが重要です。
借金
僕は国金から借りてます
開業当初は400万円かりて月の返済額5万円だったのですが、2年目のときに追加で400万くらい借りてみました。
別に借りる必要なかったのですが「3期分の税金の申告がないと借りれない」と言われているのがホントなのか確認したくて、試しに申請したら通ってしまいました(笑)
なので返済額が37000円追加されて合計87000円払っています。
返済額は利益の10%であれば経費バランスとしては問題ないと感じます
でもできれば5%くらいにしたほうがやっぱ楽ですね
僕は追加で借りたぶん、結局使わずそのまま返済金にあててるので別にどうってことないですが、利益の10%だとちょっと多いなーと感じます。
変動固定費
仕入れ30000~100000 平均60000円
水道 3000~4156
電気 8000~12000
ガス 2000~4000
通信費 電話2000~2800
雑誌・飲み物 5000くらい
毎月変動する経費はこんな感じです。
仕入れ
カラー剤とかの薬品ですね。結構金額が変動しますが、平均すると6万円くらいです(2019年現在は平均4万くらいになりました)
シャンプーとかの店販商品が売れると高くなりますね。できれば利益の5~7%くらいまでにおさえたいところです
最近はネットで仕入れたりもできますし、そのほうが業者から仕入れるより安いみたいです。
光熱費、通信費
美容室の場合、意外とかかりません。水道やガスは思ってたよりも安かったです
店舗が大きくなってもそれほどふえないです
電気は冷暖房かける季節は少し上がりますが、それでも家庭クラスです。
雑誌などのサービス費
お客さんにへのサービス費ですね。最近はスマホもあるし、飲み物も別に出さなくてもまあ良いかなと思います
飲みたいのあれば自分で買ってくるだろうし、コップとか洗ったりするの結構めんどくさい
雑誌は最近だと電子版とかありますが、うちの店は使ってません。理由は操作がわからない人がいるし、あれ結構読みにくいんですよね
あと落としたりして壊れたりするかもしれません。お客さんが落として壊したら気を使わせますし。
その他の経費
交通費
保険料
雑費
セミナー代
税理士
修繕費
税金 事業所税 消費税 償却資産税
これは毎月かかるものでなく、その都度かかるものですね
月によっては結構な金額になることもあります。
交通費
これはセミナーに参加した時にかかるものです
近場であれば大した金額になりませんが、東京にいくとかになると2,3万はかかってきますよね
頻繁にセミナーに行く人は経費として気をつけておいてください。
保険料
火災保険とか店にかける保険です。うちは火災、盗難、浸水、クレームなどに使える保険に入っています
美容室専用のプランとか調べたら出てきますので入っておいたほうがいいでしょう
火災とか盗難とかは別にいらないと思いますが、客ともめた時の保険は万が一のために入っておいたほうが安心ですね
年間で2万円くらいだったと思います。
雑誌
文房具とか掃除用品代などですね、まあ大した金額にはなりません。
セミナー代金
これも行かなければかかりませんが、やはり学びは重要です
美容関係のセミナーは数千円~1万円、コースのもので10万円くらいですが、僕が最近行くセミナーは3~100万円くらいですね
なので経費としては結構大きくなってきます。
僕は毎年「木坂健宣さん」という方の年間セミナーを受けるので、それで20~70万円くらいはかかってます
あとは登録しているメルマガでおもしろそうなセミナーが来たら参加したりもします
だいたい3~5万円位のものですね。
2016年は加藤翔太さんと木坂さんのセミナーを両方受けたので、170万くらいセミナー代で飛んでいきました(苦笑)
稼がないと学ぶことすらできないので、稼ぐ人と稼げない人の差はいつまでたっても埋まりません
資本主義は残酷なもんです。稼いだら溜め込まず、しっかり知識に投資しましょう
投資したら回収もしましょう。
税理士
僕は自分で帳簿をつけてるので、毎月税理士さんへの支払いがあるわけではありません
確定申告の時に確認してもらって、変わりにまとめて提出してもらっています。これで3~6万円くらいですね
法人化していないのであれば、毎月税理士さんに入ってもらう必要はないと思います
売上規模が大きくなると税金がクソ高くなるので、法人化して節税したほうがいいですがそこまで売上規模がない場合は、個人事業主のままで十分だと思います
年収2000万近くなるまでは個人でいいんじゃないですかね?10坪くらいの美容室だと間違いなく、税理士なんて毎月いりません。
修繕費
これは店舗の修理ですね。エアコンが壊れた、扉が開かないとかそんなんです
そんなしょっちゅうあるもんでもありませんが、出ていく金額は大きくなりやすいので注意ですね
僕の場合でいうと開業して3年目のときにエアコンを交換しました
居抜き物件でエアコンをそのまま使ってたんですが、10年使ってるらしいのでそろそろ買えとくかーと。
そこでエアコンの手配をしたんですが金額がめちゃくちゃバラバラなんですよ
同じ機種なのに30~100万の幅で金額変わります(笑)アホなのかと。
ネットで探したら35万でつけれたのでそこに頼みましたが、飛び込み営業のエアコン業者には107万とか言われました。アホなのかと。
「35万でつけれるっていわれたんだけど・・・」というと「・・・ありえないですね。聞いたことないです」とかいってたけど、同業者がネットでどう売ってるか知らないとかアホなのか。という話です
とぼけてるならたしたもんです。こーいうことあるので「しらない、わからない」といって、思考を放棄するのはやめましょう
アホは損しますのでアホにならぬよう、思考するクセをつけておくべきです。
税金
これは事業所税、消費税、償却資産税などです。店にかかる税金ですね
事業所税というのは事業をやってるだけでかかってくる、ヤクザのイチャモンのような税金です
金額いくらだったかな?口座から自動で落ちてるので覚えてませんが、10万くらいだったと思います。思い出すだけで胸糞悪くなるので金額覚えてません。
消費税は年商にかかってくる税金です。2018年現在は消費税8%なのでその半分の4%がかかってきます
1千万の売上があると40万くらい取られます。ちなみに年商1千万ってすぐいきます
いかなかったらそのビジネスやってても儲からないので、趣味でないなら辞めたほうがいいですね。
償却資産というのは僕もよくわかっていないのですが、店舗にある10万円以上のものにかかる税金です
壁、床、エアコン、シャンプー台などが代表的ですね。なんでそんなもんに税金かけられなあかんねんって感じ。
経費バランスは慎重に
以上、かかってくる経費でした。参考にしてくださいね
失敗するビジネスって経費バランスがおかしいことが多いです
繁華街で家賃70万、従業員3人とかでやってるとことかありますからね(苦笑)
それで売上出るならいいんですが、飲食店でこんな場合とかもう終わってるわけで普通にやってたら無理ですよ、こんなん。
美容室は無駄にデカイところが多いですね、あと集客できてないのにスタッフが多いとか。
最初から無謀な経費バランスでやると、うまくいかないのは当然です。うまくいかないビジネスって事前の仕込みやリサーチが甘いことがほとんどです
あくまで僕の店の実際の数字ですが、参考にしてください
ホントに独立していいの?
ここまでで美容室の経費ついて書きましたが、独立する前に「ホントに独立するべきか?」をよく考えてください
独立する能力がそもそもない人が多すぎるし、それに独立する旨味なんてないです
たいして儲かりませんよまじで。ちょっとやるくらいじゃ、経営なんてやっていけません
それなりの知力、知識、行動力が要求されます。
最近は1人美容室で開業する人を結構みますが、だいたい半年で潰れる寸前になってます
ちゃんと用意して経費バランス考えて、戦略考えてやっていけば1人美容室なんて潰れようがないのですが、なんでそうなるのか?
用意してないし経費バランス無茶苦茶だし戦略も考えてないし、その上それらを考える土台となる知識がないからです。
潰れそうになってる段階で土台となる知識を学んでも、もう遅すぎるのです
そもそも何を学んでいいかもわからないでしょう(わかってたらとうに学んでるだろうし)
潰れる美容室は最初から潰れるのがわかるもので、僕も開業前の相談とか受けますがその時点で「あーこの人は無理だろうな」ってだいたいわかります
そーいう人の特徴ってわかりやすくて、まずはパッションがありません。「なんとなく」独立したいのです。
独立というのはなんとなくで成功するほど甘いものではありません
なんとなくで作った店なんて特徴ないのですよ。そんな店、お客さんに選ばれるはずがないじゃないですか。
独立するからには業界になにか物申したい。そんな思いがなければいけません
自分が理想とする世界を作っていく意識が必須です。
パッションがない人っていうのは「やとわれ根性」なのです。自主性がなければ独立なんてやっていけません
当たり前ですが、全部自分で先導切ってやらないといけませんからね
「Plan=計画」「Do=実行」「Check=評価」「Action=改善」の繰り返しです
有名なPDCAサイクルってやつですが、これ回すためには知識や知力、行動力が当然いるわけで、やとわれ根性の人がこんなん回すのは無理です
ただの美容師ではもう太刀打ちできない時代なのですよ。美容師としても経営者としても、なにか光るものがないとやっていけません
PDCA回しながら美容師やってればただの美容師ではなくなりますが、やってなければただの美容師です。
サラリーマンが向いてるかどうかの差は、雇われてるときの自主性でわかります。
こーいうのは積み重ねですからね、気づいたときにはもう大体手遅れなのです
ここで僕が言うことにめげずに必死こいて学ぶ人でなければ、開業なんてやめておいたほうがいいです。
美容室開業のための最低限の条件
開業するための最低限の条件として
・情熱
・準備
・自身の幸福を追求する気持ち
が必要だと僕は思っていますが、これがなければホントに思いとどまってほしい。
特に「美容室で独立することが自分の幸福につながるか?」をよく考えてほしいですね
情熱と準備は持ってる人多いんですが、最後の「自身の幸福を追求する気持ち」がない人が多い
僕もそうだったんですが、これがないと結局「美容室ってつまんねえなあ・・・」となります(苦笑)
3つの条件がない人の起業例
・情熱
・準備
・自身の幸福を追求する気持ち
この条件がないケースでの独立ってホントにどうしようもありません。
僕も過去、経営相談されたことがありますが、このケースはどーしようもない
もう経営改善のアドバイスすらしません。だって絶対潰れるもん(苦笑)
正直に「今すぐ畳んだほうがいいんじゃないですかね?」とだけ伝えます。
どんな状況だったかというと、
・開業半年で売上30万あがらない→相談するの遅すぎ
・家賃がもったいない&工事中にここ住めそうですよね。と言われて店に住む→メリハリなくてダラダラしちゃうじゃん、じっさいしてるジャン
てゆうかここ住めそうですよねって言われて実際に住むって経営者としてどうなのそれ
・風呂がないので70万かけてシャワー室つくる(爆)→広告費に70万かければかなり客集めれるジャン
・客いないのに広告費全くかけてない→もうワケガワカラナイヨ
・HPはあるがブラッシュアップした形跡なし。ブログは更新せず→開業前に俺のセミナー来た時、ネットで発信することは必須です言うたやん
やり方も言うたやん。全然それやってへんやん
・生活費がないから派遣美容師行って稼いでる→いつ予約の電話とるねん。客集めるのはいつするねん。派遣行ったら店の客でけへんやん。借金と個人事業税とかの税金増えただけやん
これ、完全に経営する気ないんですよ。こーいうことになるんですよ、情熱と準備と自身の幸せを考えないと。
そーいう人のために「雇用される」という選択肢があるわけです。雇用されてるほうが絶対幸せだからこのタイプの人は。向いてると思うし。
ただ、日本が果てしなくブラック労働なのが問題なだけで(笑)
開業を考えてるあなたへ。
僕自身、美容室で独立して売上は上がりましたが、美容室経営嫌いだなーと気づき後悔しました
独立して後悔する人、自身の幸せを考えていない人に向けて、このブログを書いてる面もありますので、ぜひとも開業前にすべての記事を読んでもらいたい。「個人起業」についてかなり学べる内容になってると思います
しかしながら全部の記事を読むのはめんどくさい、そんな意見もあるかと思うので(その時点で成功しないけど心代わりを期待しつつ)最低限、下記の記事はチェックしておいてください
こんにちは。
ランキングサイトよりきましたマチャです。
美容室の経費ってこんな感じなんですね!
勉強になります!
美容にかぎらず店舗構えると経費の数字がかわるだけであとはにたような感じですよー
ネットビジネスで稼ぐ場合でもさしてかわりません
店舗=自宅になるだけなので。
こんにちは、経費のことが詳しく書かれていて
とても勉強になります。
また拝見させていただきます。
どうもです!
はじめまして、自分も都内で美容師歴15年→地元に帰って来ましたが田舎なので美容室もあまりなくなんとなく独立を考えましたが1人美容室するリスクや借金もしたくないので思い切って転職しようと思います。 みんなには辞めるのもったいないと言われますが独立してやっていく自信もないしメンタルもあまり強くないです。 独立するとプライベートな時間もなくなると思うので、中途半端に独立するより転職して安定を選ぶのもいいかなと最近思ってます。
そう思うのであれば美容師続けるべきではないと思いますし、やめていいんじゃないですかね
素直に自分の幸せを追求するのが一番だと思います
僕は起業しようぜ!っていうメッセージをこのブログで出してますが、それが幸せにつながらないなら起業なんかする必要ないですしね。
外野の声に惑わされず、自分にオベイ(服従)してください
応援してます。
はじめまして!すごく勉強になりました…現実的に考えると色々厳しいですよね。最近独立も夢に考えていましたが記事を読んでまだ勉強が足りないなと痛感しました。
今子供が2人いて扶養内の勤務体系でやっているので美容師13年目にして最低時給です。個人店で引き抜かれ続けてきましたが、オーナーと2人でやってきていて会話もなく社会保険もないし通勤1時間以上なのでこのままつづけていくか考え物です。独立したら夢は沢山あって理想もあります。
それを現実にするために今後勉強が必要だし、今すごく自分の美容室が欲しいですが、この気持ちは一時的なものなのか、どこまで自分が本気なのかわからないのも正直あります。悩みはつきません…
僕の経験からするとその思いは一時的なものですね
あと今はもう独立する時代ではないですよ。独立する場合は「独立して何かを成し遂げたい場合」のみです
それ以外の場合、独立するのはデメリットしかないです。税金でかなり持っていかれるし、美容師の仕事よりも経営の仕事が増えますからね。
独立したい人、目的があって独立したい場合はもうすでに行動してるんですよね
あとなにか光るものがあります。そして都会に出ています。
そうでない場合は基本的に「業界の空気や金銭面」が動機です。これはうまくいかないしメリットないです
これからの時代、美容師は2つの道しかないです
「大衆化」するか「輝ける個になり、輝ける集団とチームを組むか」です。
いい悪いではありません、自分がどちらに行きたいかの問題です。そして多くの美容師は前者向きです
独立する場合は後者の人材でなければ話になりません。
拝見させて頂きました。
美容師経験0ですが美容室の経営を計画しているものです。
他の記事にはない率直かつ筋の通った記事に惹かれました。
私の考える「美容師のための美容室/美容師がお客様」というコンセプトの経営方針をお話しさせて頂ければ幸いです。
Emailを添付させて頂きましたので、お時間があればよろしくお願いします。
どうも、はじめまして!
まずは⇒こちらから問い合わせていただけますか?
内容にそって記事で回答したりなどのアクションをとりますので!
あと僕個人の考えを言うと「美容師を客とした美容室」というのはあまり意義を感じません
今までの美容室と同じで対象が一般人からスタッフ(美容師)になっただけですからね
起こる問題も対象が変わるだけで同じことがおきます。
客というのはこちらと向かい合った存在です。そうではなく、これからは同じ方向を向く事が重要です
理想世界に向かうとは同じ方向を向くことですから。