現役美容室オーナーが美容師の年収をぶっちゃけます

美容師・美容室経営

こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)

このブログは「美容師 年収」というキーワードでもよく検索されていますので、「美容師の年収とその理由」について僕の見解を今日は話そうかと思います

「美容師 年収」というキーワードで調べる心理は単純に「美容師の年収を知りたい」からでしょうけども、ただの相場なんで知ることにあまり意味はありません。知った所で自分の年収が上がるわけではありませんからね

年収が低い理由にはその業界の構造上の理由があるわけでして、そこに参入する限りは自分の年収も上げにくいのは事実ではあります

しかし、重要なのは「なぜその相場になってしまうのか?」を知ること。そこがわかっているならば解決策もわかりますよね

感覚やネットで調べた情報というのも全くのデタラメではありませんが、あくまで平均の話や噂のようなもの

自分の行動をそういったものから決めてしまうのは、よろしくはないかと。

僕は「ビジネスの知識は教養である」と思っていますが、ビジネスの知識がないとこういった思考もできないものです

というわけで、エクササイズ的な意味もこめて「美容師の年収とその理由」というのをテーマに少し深堀りしてみましょう。

稼ぎたいなら稼ぎやすい職業をやるほうがいい

まず美容師の年収の前に日本人の年収について。

日本の平均年収は年によって多少の上下はありますが、400万半ばくらいと言われています

そして下記の画像の通り、日本人は7割の人が年収500万以下なわけですね。画像のデータは2017年ですが、まあ現在もそう変わりはないでしょう

「平均年収である400万代はマイルド貧困層」というのが結構知られてない事実かなと思います

ちなみに1000万台は富裕層になってますけど、僕の感覚では1000万台は中間層ですね

独身でなければ資産運用するお金なんて残りませんし、年収が1000万超えてくると多くがが起業してる人なので税金もサラリーマンより多くなります。勉強にもお金かかりますし。

富裕層と言えるレベルは最低でも1000万円台後半~2000万円台からですよ。3000万円台になってくると「お金を気にせず物を買える」とよく聞きますね。

 

ここで重要な考え方が「能力だけで年収が決まるわけではない」ということです

確かに能力が年収を決める部分はありますけど、それ以上に重要なのが「職業や地位によって年収が決まる」ということ

サラリーマンの年収はサラリーマンの年収の枠を超えませんし、ラーメン屋とIT系の会社だとどっちか儲けやすいかという話なんです

例えば美容師は雇われだと200万円台、独立して個人でやる場合は1500万くらいが上限となります

店舗展開すれば店舗の数で年収は増えていきますが、どこまでも増やせるわけではありませんので「店舗ビジネスの枠内」に着地します(そもそもその人はもう美容師ではなく起業家だが)

全国展開できるやり手美容師経営者なんてごく僅かですから、現実的な話をすれば美容師という職業を選んだ時点で年収は200~1500万くらいになるわけです

後は個人の能力でどこに着地するかという問題なわけですね

「職業を選ぶ時点で年収の上限値が決まり、後は個人の能力で上限から下限のどこに着地できるかが決まる」

だから能力だけで年収が決まるわけではないんではなく「能力+どの職業を選ぶか」なんです。

 

年収だけの話をすると「稼ぎやすい職業を選ぶ方がいい」わけですよ

特に起業する時は年収がどれくらい欲しいかをよく考える必要があって、伸び代があるビジネスモデルを作らないと悲しいことになっちゃいます

年収1000万以上ほしいのに個人の美容室なんてはじめても(´・ω・`)な結果になるんです

もちろん、そこで稼いだお金や経験値を使って次のビジネスを構築すればいいだけというのも事実なんですが、それなら最初からやりようがあるのでは?という(苦笑)

ちなみに個人で年収1000万以上となると、基本的にはコンテンツビジネス(情報発信)か転売しかないでしょう

株やFXはビジネスじゃないですし。

 

年収についてはこちらでも話していますのでぜひどうぞ。マネーリテラシーを鍛えよう的な内容です

美容師の年収の傾向

次に美容師の年収の傾向についてです

まず美容師は稼げるのか?というと「稼げない仕事」です

美容師なんて昔は3Kとか言われていましたし、雇われの場合は月収15~20万ちょいの間がほとんど

一部例外もありますが、それは言葉通り一部例外なわけでスタンダードではありません

こういう話すると「俺はもっともらってる」とか「うちはもっとあげている。美容師の地位を下げるな」言って絡んでくる人いるんですが、ここでしてるのはスタンダードな話なんで。

 

美容師で稼ぐのならば、

・給料のいい所で働く
・フリーランスか店を出して独立する

このどちらかになりますが、ここでさっきの話が応用できるわけですよ

どちらにせよ「職業と地位である程度年収が決まり、それプラス個人の能力」なわけですから、まず能力が高くないと話になりません。身も蓋もない

さらに能力があっても地位と職業の上限値は超えませんのでそこも注意です

こういう事がわかった上で自分の身の振り方を決めないと見えない不安が常にチラつく人生になっちゃいます

美容師として稼ぐのであれば、こういうことを頭に入れた上で選択をしていく必要があるんですよ

まあ僕はその結果、美容師やめようって思ったわけですが。

雇われ美容師の年収傾向

美容師の平均年収は200万円台半ばらしいんですが、日本人の平均のほぼ半分って相当ですよね(苦笑)

フツーになんも考えずに美容師やってたらここに着地します。嫌なら頭使うしかありません

アシスタントは14~18万くらい、スタイリストで18~23万ほどが相場ですから、年収だとアシスタント168~216万、スタイリスト216~276万ほどになります

美容師の平均年収は200万円台半ばと合致しますね。田舎だともっと安いでしょうし。

一応「歩合制」ですけど売上に対して10%以下の歩合がほとんどですからまあないのと変わりません(笑)

そもそも歩合がガンガンつくほど客呼べてない業界ですし。

僕が昔働いてた店なんて歩合は5%くらいでしたし、おまけに店の全体売上が一定値を超えないと歩合がつかないというウンコなシステムでした

これで指名ふやそうって思えるかというとまあ・・・(笑)

 

ここ数年は雇用難の解決策として待遇面の見直しやフリーランス契約という形も出てきましたが、スタンダードという状態にはなっていないですね

業界の平均値としてはまだまだショボイのが実状なわけです

待遇がよかったり、フリーランス契約できる店というのは都会に多く、地方だとまだごく一部

なので、雇われで平均値を超えるのはあまり現実的ではないなあと個人的には思います

現在の状況が続く限り、雇われ美容師を続けるなら年収200万円台で長時間労働をするワープア確定といってもいいでしょう。

 

フリーランス契約できれば年収1000万も狙えますが、フリーランス自体が都会メインの働き方ですし、そもそもフリーランスで売れる人は能力が高いんですよ

能力が高い時点でもはやスタンダードではありませんから、誰でもなれるわけではあらず

高待遇なサロンもまだまだ少なく、僕も高待遇な美容室を知っていますが、そこでも年収400万円台なんですよね

日本人の平均年収で見たら貧困層じゃん。っていう(苦笑)

それだと大学でもいって普通の会社に就職したらいいじゃんって思っちゃう。まあ美容師が超好きとかなら仕方ないけど、でもその場合なら独立して稼げるよねって話です

うーん、やっぱり僕は雇われ美容師を続ける意味がわかりません

美容師が好きでお金もあまりいりません。って人や、給料もらえれば何でもいい人は雇われ美容師でいいんじゃないと思いますけど。

独立した美容師の年収の傾向

雇われ美容師だとほぼ年収は200万円台になりますし、上限値でも400万ほどになる可能性が非常に高いわけですから、美容師で稼ぐのなら独立がもっとも効率的です

独立には2つの方向性があります

・フリーランスや個人美容室で独立
・店舗展開を視野に独立

個人でフットワーク軽くやっていくか、組織を作るかですね。個人でやる場合は年収700~1000万ほどになれます

僕自身、個人で独立する道を選びましたが美容師としての能力とビジネス知識さえあれば割と簡単に成功できますので手堅い方法だと思います

年収は1000万程度が上限値になるのでそれで構わない人にはオススメ。

 

個人美容師の年収の話は下記の記事でもしていますので詳しくはこちらで。

人を雇用すると難易度が上がるのオススメはしない

美容師というビジネスモデルはサービスの提供に時間がかかるビジネスなので、単価が決まってしまえば1人あたりの売上はすぐに頭打ちになります

なのでブラック企業になるか、スタッフ数をふやすしかありません。実際そうなってるわけですね

しかし「雇用」には様々な壁があり、それを乗り越えないと売上を増やすために人を入れたのにスタッフの給料に首をしめられるというマゾい状況になります

・モチベーションの差
・スタッフに売上を上げれる能力があるか
・社内ルールの設定
・集客の問題
・離職問題
・健康問題
・そもそも雇用が難しい
・法的な負担(社会保険など)や、手続きのめんどくささ
・人同士のいざこざ

などなど僕自身も様々な問題に巻き込まれてきました。思い出すだけでめんどくさい

個人美容師であればある程度雑でもなんとかなっちゃうんですが、人を雇用するとそうもいかないわけです。

 

「店舗展開を視野に独立」というのは独立前に一時期僕も考え、セミナーや成功している人と仲良くなったりして話を聞いていましたが、結局はやめてしまいました

店舗展開を視野に独立することをやめた理由で一番大きかったのは「うまくいっている店は給料を多く払って、ルールでガチガチにしている」ということです

これはビジネス知識があれば「まあ当たり前だよね、そらそうなるわウンウン」という話なんですが、個人的にはすごくおもしろくないことなんです

給料を多く払うということはもちろん良いことなんですが、払う側としては負担がデカイわけです

様々な問題を抱えながらそれを解決するために尽力し、売上を増やしたところで結局人件費でもっていかれるってコスパ悪すぎに思っちゃうんですよね

それなら1人で身軽にやりたいわ。って僕は思っちゃう。

 

そしてルールでガチガチにしないと売上も上がりません

自由にやらして売上を上げれる美容師って雇われても窮屈なんで1人でやるんですよ

そらそうですよね。気軽だし雇われてるより稼げるし、なによりモチベが高いんで自立心もあります

今業界でガンガンに店舗数を増やしている美容室(5年で全国100店舗以上出店)があるんですが、そこの経営者が面白い事を言っていて

「他の美容室でダメだった人を雇用する」と言っていました

そしてその子達が売上100万を必ず上げれるような仕組みを作り、他でももらえないような給料や待遇を提供しています

そら離職しないし、言うことも聞くわけです。

 

僕は起業するなら身軽な方が好きだし、人の管理とか嫌なので雇用するのに向いていませんし、モチベもありません

起業以上に人の雇用は向き不向きがあると思うので、慎重に選択するようにしましょう。

スタッフ5人の美容室の利益の例(ビミョーな店バージョン)

人の雇用のめんどくささを知らない人が結構いるので雇用のめんどくささ的な話をしましたが、年収の話に戻します

人を雇用した場合の年収は成功具合で変わるので、ここでは僕が美容師向けのセミナーとかやってた時期によくあったパターンを1つケーススタディとして。

よくあるということはこうなる人が多いということでもありますからね。

 

スタッフ5人の美容室の年収をちょっとだしてみましょう

スタイリスト自分含め3人、アシスタント2人というよくありがちな感じにしてみます

この場合の人件費は自分を除き、23万円×2人=46万円がスタイリストの人件費

アシスタントは18万と仮定し18×2=36万円。スタイリストとアシスタントの合計で人件費82万円

スタッフ5人程が働ける美容室は広さが30坪くらいは欲しいので、家賃は1坪1万として30万円

材料費は30万としましょう。広告もみんな大好きホットペッパーで10万円とします

光熱費や雑費、細かい数字の調整分を含めて合計10万にしておきます

スタッフ5人だと福利厚生費もいりますが、そこは知らないので今回は含みません。雇用保険とかつけないとんでもない店もありますし(苦笑)

人件費82万+家賃30万+材料費30万+広告費10万+雑費10万=合計162万円

すげえ乱暴な計算ですがこれが経費です。162万円以上売り上げないとこの店は赤字なわけですね。

 

次に売上ですが、自分であるオーナーが100万とします

スタイリストが自分を除き2名いますが、彼らはよくありがちな100万以下の売上にします(100万以下の売上になるのは経営失敗ですよ)

70万×2とすると合計140+自分の売上=240万

経費を引くと240-162=78万円でこれがオーナーの取り分となります

ここから税金を払うわけですね(苦笑)

さらにこの計算は雑なのでもう少し利益は落ちる場合もありますし、スタイリストが急にやめたら利益もガクンと下がります。怖すぎ

5人雇って手元に残るのが78万なら自分1人でも同じ金額稼げるんで、わざわざめんどくさい雇用なんてする必要がありません

まあこれは上手くいってない微妙な店という設定の計算ではありますが、失敗したらこうなるわけです。

スタッフ5人の美容室の利益の例(上手くいってるバージョン)

僕がこの店にテコ入れかますなら、

・アシスタントにやめてもらう
・アシスタントではなくスタイリストを入れる
・スタイリスト1人あたり100万の売上にする

ということをまず考えます。この場合の利益もちょっと考えてみましょう。

 

家賃と雑費は人の構成が変わっても変化はほとんどしないのでそのまんまでok

材料費は売上が上がると当然増えますので30万から45万にしましょう

人件費はスタイリスト自分を除き4名で、給料を多くしないとやめるので40万円に設定

40×4=160万

人件費160万+家賃30万+材料費45万+広告費10万+雑費10万=合計の経費255万円

売上は1人につき100万上げるので5人×100で売上500万

500-255=245万円が利益となります

雑な計算で福利厚生費も入れてませんからもう少し下がりますけど、まあ200万に近くはなるでしょう(福利厚生費入れたくないならフリーランス契約にするという手もあり)

ここから税金を払うことになります。まあこれくらい稼げれば悪くはありませんね

フリーランス契約にすれば雇用の負担も少し下がりますし。

 

しかしまあ、こんなにうまくいくかというと難しいわけです

集客が上手くできないと話になりませんし、スタイリストに100万を上げさすか上げれる実力のある人を雇用するかになりますし、給料多く払いまっせという美容室も増えますから給料も40万以上出さないといけないこともあるでしょう

上手く経営している人の話も聞きますが、環境整備すると利益は1店舗につき3、4割くらいしか取れないそうです

自分ならともかく、人に結果を出さすのは本当にめんどくさい

個人の実力が問われるビジネスモデルで人を雇用するとまじめんどいし、経営者のビジネス力がなかなかに問われます

こうなってくると、美容師に集中してらんないですから経営者になりたい人向けで、美容師で稼ぎたいだけの人向けではなくなってきますよね。

 

それでよければ、やる気のある人は「店舗展開を視野に独立」をぜひどうぞ

「店舗展開を視野に独立」したいのであれば、こちらの記事も参考になると思います

高年収美容師の必須条件は「美容師力」「高単価」「ビジネス知識」

美容師の年収についてちょっと突っ込んでみましたが、なんとなくイメージできたでしょうか?

出てきた数字はいい加減ではありますが(苦笑)大きくずれている数字でもありませんので、イメージとしてはリアルなものです

年収200万には200万の、1000万には1000万の、1億には1億の構造と理由があるものなんです

そしてそれは決して個人の能力だけではなく、ビジネス上構造の問題も多い

稼ぎたいのであれば稼ぎやすい環境に身を置く方が簡単ではあるんです。

 

美容師で高年収を得るには3つの条件が必要ですが、稼ぎたいのであればがむしゃらに努力するのではなく、必要なピースを集めるという意識にならないといけません

「美容師力」「高単価」「ビジネス知識」は美容師が稼ぐための条件です

これらがないと現実的に稼ぐのはむずかしいんじゃないかなと。

たまたま自分の家の近くに待遇の良い美容室があって、そこに入れるっていうのは確立として相当低いんですから。その場合でも年収400万の貧困層ですし(苦笑)

やはり美容師が稼ぐには独立しかないと思います

そもそもこんなブログを読んでるということは独立を視野に入れてる人だと思いますが。

 

個人で年収1000万美容師になる方法はこちらにまとめていますので、稼げる美容師になりたい場合はぜひどうぞ

全部読めば後は行動するだけ、というレベルになっています。

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齋藤慶太

齋藤慶太

27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営、情報発信ビジネス、メディア構築など、「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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齋藤慶太

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27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営・情報発信ビジネス・メディア構築など「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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