こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)
「専門性を組み合わせて自分だけの独壇場を作れ」それが目にとまる、読んでみたいと思われる発信をする方法ですよ。という話を前回の記事でしました
2018.09.05
「専門性の組み合わせ」で読まれるブログを書くためのライティング術
最近は美容室の開業や経営に関することを書いていますが、どんなビジネスにも転用できるように書いているつもりです 売れるビジネス、人が集ま...
独壇場を作るためには「専門性を並べるだけではゴミ」になってしまうので、並べるのではなく「いかに組み合わせるか」が重要です
この「組み合わせ」をする時に頭に入れておきたいことを今回の記事では話していきます。
「再定義」する力
ユニーク、興味深い、おもしろい発信をするには「色んな専門性を組み合わせる」事が重要なわけですが、この組み合わせに必要な接着剤が「再定義」という考え方です
組み合わせろ!と言うと、ほとんどの人が組み合わせる事ができず、ただ並べただけになってしまうのは、この発想がないからです
前回例に出した「サッカーで県大会優勝、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター資格を持ち、有名美容室で10年勤務していました!」みたいなものはまさに典型例なわけです
こーいった意味合いを含む文章はプロフィールでよく見ますが、こんなもの見せられて誰が興味をもつんだ。という話なんですよ。
専門性を並べただけでは「ああ、そうなんですね」というリアクションで終わりますし、なによりさらに強力な専門性を持つ人に勝てません
「東大生を毎年20人輩出する進学校を主席で卒業、漫才コンビを組んでM1に出場し、マイナースポーツで有名なカバディの世界大会にも出ました!美容学校卒業後ロンドンのサロンに就職しパリコレにも参加しました!」
こーいう人がいればまず勝てないわけで、このような優秀や天才と同じ土俵で勝負がしたいですか?僕はまったくしたくありません。勝てる気がしない
専門性で勝負するとは、彼らと同じ土俵で勝負するということで無理ゲーです。
専門性を並べてもサムイだけ
そしてもう1つ重要な視点があり、それは「専門性を並べるだけでは一瞬の興味しかひけない」ということです
これは日本の家電を見るとよくわかることで、日本の家電メーカーの没落っぷりは見るも無残ですが、その原因の1つとしては「とにかく機能を足した」ことです
これは抽象化すると専門性を並べるのとやってることは同じです
ボタンが100個くらいあるレコーダー、スマホが充電できる掃除、スチームがでるテレビとかが発売されましたが、これらはまさに機能を並べただけ
「東大生を毎年20人輩出する進学校を主席で卒業、漫才コンビを組んでM1に出場し、マイナースポーツで有名なカバディの世界大会にも出ました!美容学校卒業後ロンドンのサロンに就職しパリコレにも参加しました!」
とやってることは同じなのです。
ここまで変な経歴だとそれはそれで興味がでますが、それはあくまで一瞬の興味であり、ある種怖いもの見たさ的な興味でしょう
家電であれば「これを買えば私生活がハッピーだぜ!」人であれば「この人についていけばバッチリだぜ!」といった安心感はゼロです
できること(専門性、機能性)をただ並べただけではユニーク、興味深い、おもしろいといった感情を持ってもらえません
僕は美容師なので美容業界に明るいですが、流行ってない店って専門性や機能性をただ並べてるだけです
美容室に限らず、どんなビジネスやモノであっても同じなんですよ。
情報発信系のブログ、もしくは自分が明るいジャンルのブログを検索して見てほしいのですが、つまんないブログって情報(専門性、機能性)を出してる(並べてる)だけです
世界観がないんですよ。その人独自の世界観が。
ダラダラダラダラ情報を並べたところで、良くて「参考になった」で終わり、だいたい「読むのめんどくせ」です
「また読みたい」と思ってもらわなければ話になりません
「読んだ人に衝撃を与えたい」「人生を変えてもらいたい」「出会いというレベルにしたい」などの感情を持っているのであれば、ただ専門性を並べるという愚行はしてはいけません
情報発信のブログであればそれくらいでなきゃ読まれないし、美容室などのビジネスであればリピートどころか新規来店もされません。
再定義の例
専門性を羅列することの寒さ、愚かさ、バカさを理解した所で本題の再定義に入っていきましょう
「専門性を並べる」のと「専門性を組み合わせる」のはどう違うのか?「再定義できていない」のと「再定義できている」のはどう違うのか?
これはiPhoneと日本の家電を例にするとわかりやすいと思います。
iPhoneのヒットの秘密は2つあり、それは「コミュニティ」と「再定義」です
コミュニティはこれからの時代に必須の考え方ですが今回は置いておいて、一体iPhoneは何をどのように再定義したのか?
それがもっとも象徴として表われているのがCMです。
僕はテレビ持ってないので最近のCMもそうなのかは知りませんが、iPhoneのCMは日本の家電のCMのように機能性(専門性)を全面に出しません
日本の家電の場合だと、掃除機であれば吸引力やコードレスを押し出した内容だったり、テレビであれば画素数の高さや動きの滑らかさを全面に出したCMばかりです
これは機能性を並べるということであり、再定義はされていません。「この掃除機はゴミをよく吸いますし、コードがないので掃除しやすいですよ」と言ってるに過ぎないのです。
一方、iPhoneのCMは「iPhoneがある生活」を全面に押し出しています
僕が覚えているのであれば音楽聴きながらダンスしてカメラ撮ってるCMがあった気がしますが、あれが「iPhoneの機能性を伝えたい」という意味であれば、あのようなCMにはなっていないはずです
にーちゃんねーちゃんが笑顔で音楽聴きながら踊ってカメラ撮ってたら、知らんうちにCMが終わりますから(笑)
「音楽も聞けるしカメラもムービーも撮れるんです」ではなく、「iPhoneってクールでしょ?音楽、カメラ、ムービーがあなたの生活で当たり前になるんですよ」というメッセージなのです
「音楽、カメラ、ムービーが使える便利な携帯機器」ではなく、「毎日をクールに過ごすための必需品」に再定義してしまったわけですね
iPhoneのCMには世界観がありますが、再定義ができていると世界観が出てきます。世界観がある時点でユニークなのです。
ちなみに多分ですが、近年のiPhoneのCMは機能性をすこし並べているのではないかと思います。画面の大きさとかメモリ容量とか
こうなってくると衰退のサインです。
再定義をする最大のメリット
再定義をする最大のメリットは「世界観の構築ができること」です
専門性とは世界観構築のための材料でしかないわけですね
そのたかが材料を変態仮面のおいなりさんのように「そぉれ!そぉれ!」と見せられても困るんですよ
世界観ができると「独自性」が生まれます。iPhoneはスマホじゃなくてiPhoneなんですよ
どんなビジネスでも独自性というのは喉から手が出るくらい欲しいもので、独自性を出すために専門性を並べるわけです(で、結果並べて終わりになってるわけですが)
再定義とブログ
ここでやっとこさブログの話に戻りますが、読まれるブログというのは2種類あり、
・専門性が高く問題解決力があるブログ
・独自性の高いブログ
このどちらかの条件を満たしているのが読まれるブログです
しかし専門性が高いブログというのはこれまで話してきた通り、わざわざそのステージで勝負するメリットはありません。しんどいだけな上に極論1位以外は不要なのです
そんなものは大手とかちょっと変な人に任せておいて、僕らは独自性の高いブログを作っていくべきです
独自性が高いとはつまりはおもしろい、ユニークである、興味深いということで専門性があり、それがうまく組み合わさっている状態といえます
書き手のキャラクターが全面に出てきますから、ファンだって生まれます。
前回の記事で「僕の美容室のブログは哲学、脳科学、漫画、アニメ、下ネタ、自己啓発などの専門性を組み合わせているので僕だけの独壇場ができている」と言いましたが、こーいうことは当たり前にできてくるわけですね
内容も専門性があるから読めば必ず役立つし、再定義されているからおもしろいわけで、一定数は必ずファンになってくれます
なにもむずかしいことじゃないんですよ。
ブログのネタだって困ることはなくなります
いくつもの専門性をもってるし、再定義して全く違うものに変換できるわけですから別にテーマなんてなんだっていいわけです
書きたいこと書いたらなにかができますし、ファンは書けば読んでくれます
再定義というのはブログを書く上で必須の条件であり、おもしろくないブログとは再定義されていないブログなのです。
抽象度をあげる
さて、ここまでで「再定義とはなんなのか?ブログを書く上でどう使えるのか?」という話をしてきました。
しかし肝心の「再定義をどうやってするのか?」という話はまだなんですが、再定義をする方法というのは1つしかありません
なのでサクっと終わります。
その方法は「抽象度を1段以上あげた状態でくっつける」です
抽象度を上げるというのは例えばベンツ、フェラーリ、ポルシェがあったとして、自動車とするのか高級車とするのか工業製品とするのか、その時の状況に応じて分類するわけですが、抽象度を上げるとはこーいうことです
これを、サッカーで県大会優勝、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター、有名美容室で10年勤務という4つの専門性について行う必要があるわけです
この4つの専門性の共通するものはなにか?これがわからなければくっつけることはできず、並べるだけという結果になってしまうんですね
くっつけることができなければ自分の独壇場を作ることはできません。
多くの人はこの抽象度の操作が非常に苦手です、ビジネスが上手くいっていない人は軒並みできません
下手したら「抽象的」という言葉の意味もよくわかってません
抽象度を上げ下げ自在にできるようになる方法はないのか?という話ですが、こーいうものは概念や感覚の話なので明確な方法はないです
日々、抽象度を意識して生きるしかありません。
例えば売れているものを見て、なぜ売れているかを考えたり、自分のビジネスにいかせないか考えたり、映画を見て人生やビジネスにどう生かすか?を考えたりしていくしかありません
本やセミナーなどでも抽象度を扱っているものはありますから、それを読んだりして学ぶしかないです
1つの物事に対して抽象的にしたり、具体的にしたり、なにかに当てはめれないかを考えたり、違うものとくっつけれないか考えたりしてれば身についてきます
それができるようになれば最強ですよ。発想力とか応用力が凄まじいことになりますから人生レベルで変わります
ショボい例で言えば、ありきたりのビジネスであっても再定義して違うものにできますし、ブログなんかであれば書くこと困らなくなります。
同じテーマであっても違う角度から書いて、全く違うように見せることなんかもできたりします
例えば前回と今回の記事、そして以下の記事はテーマは同じです
2018.05.08
「昔の自分を客にしろ」は間違い!ブログにオリジナリティを出す極意
今日はコンセプトの話と、ブログにオリジナリティを出して魅力的な記事を書く方法を話していこうと思います。 コンセプトがないとソンビになって最...
解説に力を入れているポイントの差で違う話のように見えますが、取り扱ってるテーマは同じなのです
ビルではなく要塞を作ろう
「専門性」と「くっつける」この2つがわかっていれば、ブログなんて勝手に読まれるようになるということです
ビルを建てるのではなく要塞を作るイメージと言えばわかりやすいと思います
どういう事かというと、ビルというのは専門性のことです
どんなけ高いビルを立てても、隣同士のビルが連結してなければバラバラとビルが立っているだけでしかないですが、しかしそのビルとビルが繋がっていれば行き来することができます
繋がっているビルがふえればふえるほど、施設として巨大なものになっていきます。施設の大きさ=その人の器といってもいいでしょう。
ビルの高さよりもどれだけ他のビルと繋がっているかが重要で、それもできれば遠くのビルと繋がってるほうが良い
近くのビルとつなげるのは簡単ですが遠くのビルとは難しい。これは現実世界でいうと、遠くのビルほど関連のない専門性ということです
関連のない専門性をいかにつなげていくか?これは抽象化できなければ繋げれません
遠くのビルと繋がるというのは抽象化能力が高いということなのです。
こうやって近くのビル、遠くのビル、高層ビルや低いビル、いろんなビルを取り込んで要塞化してしまえば、現実世界では自分だけのステージができるのです
時間は有限なので限度はありますが、興味のあることばかり学ばず、いろんな事に興味を持つことは重要です
専門性って興味が無いと生まれませんからね。おもしろい人ってやっぱり興味の幅が広いんですよね
狭い人でビジネスや人生がうまくいってる人ってあんまり見たことありません。
僕は昔、でかいビルを立てればやっていけると思っていましたが、それでは上には上がいるし、立てた場所で地震や火事がおきれば燃えてしまうことを知りました
いろんな事を学んでおけば応用力もきくし、ビルは移動できないけど要塞にはキャタピラが付いてるもんで移動も可能です
移動しながら周りのビルを取り込んで大きくなっていく人生の方がおもしろそうじゃないですか。
「再定義」。
深いですね。
すごくよくわかりました。
専門性を誇張したがけでは、読者はついてきませんよね。
とても腑に落ちるお話でした。
ありがとうございます。
…。
ソフトバンクのCMは、面白いなあと思いますが、iPhoneは、買ってみたいと思ってないです。android派なので(^^;)
その場合はiPhoneが提示する世界観に同意できなかったということですね(笑)
自分が提供側になった時も一定数は世界観に同意してくれない人たち
アンチなどが発生しますがそこに気を取られるとブレブレになりますので気を付けましょう
全方位に気に入られようとすると
誰にも見向きされなくなりますので(苦笑)