こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)
起業するのであれば「人を雇用するのかどうか?」は1つのターニングポイントでもあります
人を雇用しないとビジネスが始まらない場合や、情報発信のように人を雇用する必要がまったくないビジネスであれば答えは決まっていますが、そうでない場合は悩む人もいるかなと思います
例えば美容室なんかもそうですね。ずっと1人でやり続けることもできますし、人を雇用することもできます
こういった場合は「売上規模を拡大したければ雇用する。そうでないならしない」というのが僕がするアドバイスではあります。
たまに「人を育てたい」とか「自分が働く環境を人に提供してあげたい」というなんか良い人っぽいことを言う人がいますが、こういうので雇用するのは辞めたほうがよいでしょう
理由が抽象的で、結局は「寂しい」とか「自分に何かあった時のリスクヘッジ」的な意味合いであることが多いのかなと思います(スタッフで寂しさは消えないし、自分に何かあった時にスタッフはあなたを救ってくれません。それは特殊なことであり、普通は人間誰しもが自分の身を優先するものです)
人を雇用すると様々な問題が起きますから、雇用に明確な目的意識がないと「人ってめんどくさい・・・」という結果に終わるでしょう
てゆうかそういう人超多いんですよ。見てて「ああはなりたくねえな・・・」とよく思ったものです(苦笑)
正直、僕は人を雇用するメリットを感じません
めんどくさいし、リスクが上がるだけだと思っています。人を雇わなくても今の時代稼ぐことはできますし、人を雇うと会社を気軽に潰すこともできません
スタッフの仕事を作らないといけないし、そのビジネスに飽きてもやめることができません。人生において移動力がなくなってしまいます
人を雇用しないと規模拡大できない事業は多くありますが、そんなビジネスはやらなくて良くない?と思っています。だから美容師やめるんですが(美容師は1人だと年収1000万程度で頭打ち。それ以上は雇用が絶対)
とはいえ、このブログでは美容師で起業する方法なんかも書いてますし、起業において雇用というのは重要なことなのは間違いありません
ですので雇用するにあたっての考え方を1つ書いておこうかなと。
僕は起業するなら情報発信がオススメですが、リアルビジネスで起業したい人もいるかと思いますしね。リアルビジネスは雇用しないと規模が拡大できないですから、雇用は超重要です。
僕はリアルビジネス歴15年ですが「情報発信はホントにビジネスとしてよく出来てるな」と思います
コンテンツの作成は大変ですし、抽象度が高いビジネスなので難しさもありますが、1人で数千万は稼ぐことができるし、デジタルコンテンツはいくらでも複製できますから仕事量も売上に対して恐ろしく少ない
自分の時間を優先して生きたい人にはうってつけのビジネスだと思います。しかもまだ発展途上なビジネスですからね。これからはもっとスタンダード化してくるでしょう
リアルビジネスをやるとしても「いかに情報化」するかを考えておくべきだと思います。
では本題へといきましょう
雇用するなら「依存」させるか「卒業」させる
結論をまず言っちゃうと、人を雇用する場合は「依存」させるか「卒業」させましょう。どちらにするか決めて、ビジネスを作ってしまうのです
依存させればスタッフは社内に残る期間が長くなり(理想はやめないこと)、卒業前提にするとスタッフは数年で辞めます
一見すると依存させたほうが良く思えますが、必ずしもそうではありません。自分のビジネスモデルに合わせて選択しましょう。多くのビジネスオーナーはこういった考えがなく、どっちつかずになっていることがほとんどです
依存と卒業だけではよくわかんないと思うので、例を上げつつ説明します。
スタッフを「依存」させるビジネスモデル
スタッフを依存させるビジネスモデルとは一言で言ってしまうと、「ガチガチに仕組み化してスタッフをビジネスモデルの歯車にし、高待遇を与える」と成立します
「その会社から出る理由がない状態」を作れば良いわけ。ちなみにこれを達成しているビジネスはかなり少ないのが現状ですね
「終身雇用」という言葉があった旧来の日本企業の目指した形ですが、今の日本はこの形が崩れまくって形骸化している状態です
形骸化すると「仕組みは作れない、売上がないから待遇に回すお金がない、だから社員に背金と成長を望みつつも低待遇で働いてもらう」というブラック企業になるわけです(苦笑)
スタッフを依存させるビジネスモデルの例を2つ上げてみましょう
1つはみんな大好きマクドナルドです。マクドナルドは高待遇という条件は満たしませんが、それ以外では依存を前提として考えられています
全世界に拡大できている理由の1つではないでしょうか。
マクドナルドは徹底した「仕組み化」を行っています。こんな感じですね
【マクドナルドの仕組み化】
来店→メニューを聞く→セットか単品かを聞く→ポテトやセット化を勧める→商品提供
と、こういう形でマニュアル化しています
マクドナルドのようなビジネスは、1日の客単価(単品+セットメニュー)×来店客数で売上が決まるので「ポテトやセット化を勧める」というのをマニュアルに組み込んでおけば売上が上がるわけですね
これを仕組み化+自動化といいます。
2つ目の例は美容室です
美容室って経営の仕方に時代のブームがあり、今は「依存」前提のモデルが流行ってきています
以前は「美容師として腕を磨け!カリスマになれ!売上を上げろ!」という個人能力主義でしたが、それだとついてこれないスタッフは辞めるし、腕のある美容師は独立するわでブラック化&人材流失が止まりません
そこで「仕組み化+自動化」の考え方が取り入れられ、依存させるモデルも出てきたわけです。
美容室での「ガチガチに仕組み化してスタッフをビジネスモデルの歯車にし、高待遇を与える」方法ですが、これは今はトリートメント戦略で行われています
すべてのメニューにトリートメントをセットし高単価化、トークマニュアルを作成しリピート率&次回予約アップの自動化、スタッフにはマニュアルを徹底させる
こうすれば個人の能力に関係なく一定の売上が出ます。そして高単価=売上も出るのでスタッフへ還元すればオアシス化するので辞めません
辞めない=店舗を増やすことができる
というわけですね。事実、美容室の店舗展開は数店舗でも数年かかるのですが、これを実践しているところは5年ほどで全国100店舗展開していました
これも仕組み化+自動化の例です。
仕組み化して、売上が個人の実力とは関係なく一定値が出るようにする、そして高待遇化すればスタッフからすると辞める理由がなくなります
その待遇が良くなればなるほどオアシスとなり、スタッフは辞めなくなります
ただ、これでは人というよりかは歯車です。だから依存させる場合は成長を望んではいけないし、それを期待してはいけません、その役に合わない人を雇用してもいけません。
上昇志向が強い人というのは少ないので「仕事をただの飯食う手段」としてとらえている人は依存させてくれる会社を望むのです
経営者とは世の中に価値と雇用を生む存在ですが、依存させる会社を作るのもれっきとした社会貢献なのですよ
依存させるやり方は「社員の機械化」とか言われたり、美容師であれば「そんなのは美容師じゃない、なんてツマラナイんだ」とか言われますが、だからそういう人は卒業させるモデルを作ってください&そういう会社に入ってくださいという話なのです
規模拡大する場合や、大衆を相手にする場合、クリエイティブさや能力の高さが必要のない場合は、徹底的に仕組み化+自動化し「依存させるモデル」にしたほうが理屈上は良いです。
システム化+自動化については「次世代起業家セミナー」で無料で学ぶことができます。下記の記事にも書いていますので読んでみてくださいね
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スタッフを「卒業」させるビジネスモデル
卒業とはそのまんまですが「スタッフが次のステージを求めて辞めていく」ということです
もしくは最初から長期雇用を前提としていないケース。この2つが卒業を前提とした雇用です
育てて辞めていくケースもあるだろうし、最初から実力者を入れて一時的なタッグを組む場合なんかもこれに当てはまります
インターネットの発展やそれに伴う社会様式+価値観の変容によって。このほうが時代的ではあります
基本、自己実現が伴うのでやってて楽しいのもこちら。もちろん、高い実力が問われ続けますけど。
意識高い系的な言い方をすると、依存は何も考えずに楽したい人向けで、卒業は色々やりたい人、自己実現したい人、クリエイティブで自己成長させることができる人向けとも言えますね
まあ美容室とかもそうなんですけど実力、やる気のある人ってすぐにやめちゃうんですよね。そうでない人は依存させてくれる会社が少なすぎて、ブラックに疲れて店を転々として、いずれは美容師やめてしまうというのが多いです。これは一般企業に勤めるサラリーマンやアルバイトでも同じでしょう
(そんな彼らに目をつけたのが先ほどの例の美容室。だから爆速で全国100店舗とかできたわけ)
この「卒業スタイル」のモデルは、ビジネスに明る人でないとあまり目にすることがありません。人間の雇用の考え方なんて、経営者目線じゃないと見えてきませんからね
いわゆる一般企業にこういった会社ってほとんどないでしょうし、この形式は組織という感じもないことが多いです
意識高い系が大好きなインフルエンサーの会社、ネットビジネスで起業した会社では雇用している場合、この形式が多いです。例えばキンコン西野さんの会社とかはそうですね(今も会社もってるのか知らないけど、税金対策で法人化はしてるでしょう)
1つのプロジェクトに数年かけて、そのためのスタッフを募集し、終われば解散。これは最初から卒業を前提とした雇用なわけです。
「卒業を前提とした」雇用は流動性が高くなります。例えばTwitterとかで募集して、やる気や実力のある人、さらにやりたいことや世界観に賛同している人が集まったりなども起こります
自分の人脈も大きくなっていきます。スタッフが卒業するころには実績と実力もついていますから、卒業後にまた組んだりすることもできますよね
卒業させればさせるほど、自分のコミュニティが大きくなり、世界に対する影響力、人脈、仲間ができます
キンコン西野さんはちょうどこんな感じでビジネスやってんじゃないのかな?と思います。僕は彼の活動は追ってないので詳しくは知りませんが(笑)
抽象度の低いビジネスでは「卒業」にメリットがない
卒業を前提とした雇用はリア充ぽいし、時代的だし、実力者やおもしろい人の輪ができるので無敵感ありますが、そういうわけではありません
例えば美容室のようなビジネスモデルで卒業させてもなんのメリットないです。自分の店のスタッフが独立していくだけでほら、なんもええことないでしょう(苦笑)
自分の店のスタッフが独立しても結局そのスタッフはは美容師するわけで、美容師と美容師がタッグ組んでも仕方ありません。なにすんねんって話で相乗効果やコンボ的なものは生まれません
せいぜい薬剤を開発するとか勉強会を合同で行うとかその程度でしょう。薬剤の開発なんかはハードル高いですし、開発しても仕方ない面もあります(そもそも開発したいのかという話だし、ほっとけば薬剤はメーカーが出すし)
これは美容師に限った話ではなく、「抽象度の低いビジネスでは卒業させてもスタッフが減るだけ」なのです
抽象度が低いとは「やることが決まってるビジネス」のことです。移動力がないビジネスとも言えますね
やることが決まっていて、場所に縛られて、情報化できず、一度に多くの人に提供できないビジネスのことです。
情報発信のように情報を扱うビジネスモデルや、ホリエモンやキンコン西野さんのように自分のコンセプトにそって色んなことをする場合、ビジネスの抽象度が高くなります
「抽象度の高いビジネス」を明確に定義することはできません
わかりやすいものでいうと情報発信などのコンテンツビジネス、芸能人やインフルエンサー的なキャラクタービジネスが代表的と言えるでしょう
抽象度が高いということは移動力、流動性が高いということなので雇用もそうなってもなにも問題ありません。むしろビジネスの流動性が高いのに雇用の流動性が低いと、お荷物になりますから困るのです
卒業がなんか時代っぽく感じるのは、ビジネスが流動性の高い「情報メイン」となっているからです。
抽象度の低いビジネスモデルで卒業を前提にするのは、良い手とは言えません
拡大する気がないなら構わないと思いますが、抽象度の低いビジネスは総じて売上規模が人に依存しますからね、組織が全く大きくなりません
万年人に困ってる組織というのは、こういうのがわかっていないんですよ。卒業か依存、どちらを採用するのか決めてから雇用しないといけません
卒業なら成長、やる気、責任、成果を発揮できる環境を用意してあげないといけないし、依存であればそういったものは全くいらず、システムの一部に組み込んであげて働きに来れば高待遇が与えられる状態にするべきです
依存したい人に成長などを望んでも無理な話なのです。依存したい人間が自主性とか言われたってねえ・・・という話で、そら辞めますよ(笑)
「仕事にやりがい」とはよく聞く言葉ですが、これは経営者よりの人間の話です。雇用されたい人はそんなもんいらなくて、ほしいのは「快適さと安心」なのです
卒業は経営者目線の人、依存は雇用されたい人向けとも言えますね。
抽象度の高いビジネスのほうがおもしろい
僕は抽象度の低いビジネスの代表である「サービス業」をもう15年近くやっていますが、実感としては抽象度の高いビジネスの方がおもしろいと感じます
そしてその方が時代的だし、伸びしろもあるわけです
例えば美容師でも経営や技術などをコンテンツ化し、情報発信すれば1つのビジネスにはできます。抽象度を1段高くすることは可能なんですが、所詮は元より多少高くなる程度です
個人的にはおもしろいとは思いません。(おもしろい人は天職ということです。うらやましい!)
情報発信で1つのビジネスを作って成功している人を見ると楽しそうだし、ここ数年は特定の人から学びましたが僕もこういう生き方したいなと思いま。情報発信で成功してる人がみんな言うのが「なんでみんな情報発信しないの?こんなに効率よくて楽しいビジネスないと思うよ」ということです
いや、ホントだよな。と情報発信でまだビジネスを作っていない僕でも思うんですよね。
これから世界はどんどんグローバル化が進みます
コロナで水を差されましたがそれはあくまで物理的な話であり、精神的にはグローバル化の波は依然止まりません
精神的なグローバル化の1つの現象として「ネットがもっと身近になる」というのがあります。ネットを通して様々な経験や価値観に触れるのが当たり前になるわけですよ
ということは必然的に「抽象度の低いビジネスの価値」が下がります。ネットというのは仮想空間であり、本質的には抽象的ですからね
流動性の高い時代は雇用は卒業前提にしたほうが色々と都合が良いのです
依存させる雇用は大手がやりますし、やるべきなのです。自分が大手を作ってもいいですが、大変なんで別にそれやらなくて良くね?と僕は思います。
というわけでこの記事では雇用についての考え方を1つ提示してみました
雇用を前提とするなら「卒業」と「依存」このどちらかを選択してビジネスを作っていく必要がありますよ。という話でした。
政府も検討している「卒業と依存」
ちなみに今日の話はすでに日本の教育でも反映が検討されています
2015年くらいに政府にプレゼンされた「日本の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」というのがあります
これは「G型(グローバル)」の世界と「L型(ローカル)」の業界があるから、大学での教育もこれに沿ったものにしたほうが良いのではないか?という内容です
これに合わせて大学もG型大学、L型大学という2つに分けたほうがいいのではないかと。
この内容にそって雇用をG型とL型にわけると「卒業(G型)」「依存(L型)」となります
世界がGとLに別れるなら、雇用もGとLに別れるのは必然ですよね。
Gの世界とLの世界はニュースにもなっていましたし、ネットではかなり騒がれていました
こういうニュースや世界の動きを見て抽象化&具体化し、自分なりに定義できるようになるのはこれからの時代、重要なスキルだと思います
Gの世界とLの世界について興味がありましたらこちらに詳しく書いてますのでリンクしておきます。考案者の富山さんという方が安倍総理に説明するときに使った資料だと思います、多分(笑)
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