こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)
システム化実例の2つ目は美容室です
美容業界は「売上はスタッフの技術であげるもの」という神話が未だににありますが、フツーに考えればそんなもん理想論であり、無理なわけです
やってることは「技術の練習と接客を磨く」ことですが、技術の良し悪しなんて客にはわかんないし、そもそもすぐにレベルアップできるものでもありません
「技術、接客を磨く」のもあまりに非効率です。
なんせ抽象的ですし、最後は人同士の相性ですからね
事実やってることはただペコペコしてるだけだし(抽象的なモノを具体化する能力がないからそうなるわけですが)
あげく給料も休みもないのでスタッフのモチベは地をはっている状態
それなのに「美容師はこーいうものだ!」「俺らはこうやって1人前になってきたんだ!」などとのたまい、思考停止状態ですからそれでは潰れる店が多いわけですよ
なもんで、システム化して売上効率化し、労働条件よくすれば、美容室経営というものは1人勝ちできる状態になってます。
システム化を嫌う美容師達
美容業界はシステム化を嫌う傾向にあるのですが、その理由はこうです
「デザインを作り出すアーティストなのに、接客ややることをマニュアル化してどうするんだ!それではマクドナルドと同じじゃないか!美容師の個性が消えてしまう!そんな美容師はもう美容師と呼べない!」
という理屈。まあ一理あるんですよ、僕もそこそこロマンを追うタイプなので言わんとすることはわかります
しかし、好き勝手やらして売上をあげれる美容師なんてほんの一握りです
いわゆる個性を売るのは難しい。
そーいう人は1流であって、美容師が好きでたまらないのです。しかし多くの美容師はそうではありません
なんとなく美容師になってる人が大半なわけで。
美容師に限らずそうですよね。仕事はなんとなく選ぶものです
明確な目的があってそれをずっと持ち続けられる人が一体何人いるのか?もはやそれは1つの才能です
ビジネスとして考えると「美容師個人に好きにやらす」なんて非効率すぎます
安定とは程遠いことでしょう
それにそれだと「能力のない美容師」はずっと売上があげれないままです。成長しません
そうなれば、いずれ辞めてしまうわけですよ。
しかしシステム化して「どんな美容師でも一定の売上がでる」ようにしておけば、経営も安定するしその美容師も仕事しててそっちのが楽しいと思うんですよね
実力主義を振りかざすのも1つのロマンなので否定はしませんが、弱者切り捨てとも言えます(この業界はだから辞める人が多い)
どんな美容師でも仕事する気さえあれば、活躍する機会がある。これを実現するシステム化ってそんな疎まれるもんですかね?
経営も安定するし、その美容師も店と客に貢献できるし、いい事ずくめだと思うのですが。
事実、職人気質の美容室なんてぜーんぜん伸びてません、むしろ潰れまくってますうまくいってるとこは小規模
しかしシステム化された美容室は異様な伸びです。僕が知ってる限りはそうです
労働条件もよく、求人してもすぐにスタッフが集まります。
伸びてるってことは消費者に支持されてるってことです
昔ながらのアーティスト美容師はもう市場に求められていない。という証明ではないでしょうか?
そもそもシステム化したからといって、アーティスト要素がなくなるわけではありませんしね。アーティスト面がほしいなら、システム化でそうしておけばよいだけの話です
てゆうか個人的に言わせてもらえば、美容師はアーティストじゃないし、ビジネスの構造上そもそもアーティストになれないと思いますよ。
美容室の構造化とシステム化
前置き長くなりましたが、では「美容室を構造化してシステム化」してみましょう
まず美容室の販売プロセスを考えてみます
来店>カウンセリング>サービス提供>アフターフォロー(手紙、メール)
こんな感じですかね。
この販売プロセスが一般的な美容室はこうなってます(売れない美容室)
で、これをどうやってシステム化をするのか?ですが、そのために次はKSFを見つけましょう。
美容室経営のKSF
KSFとして設定する項目により、経営体質というか経営の方針が決まります
ちなみにKSFは次世代起業家セミナーによると、だいたい2~3個になることが多いそうです
一般的な美容室のKSFはこうです(もちろん、売れないブラック美容室になります)
・接客数✕客単価
これは「薄利多売」でやる場合のKSFです。前回マクドナルドのシステム化を紹介しましたが、同じKSFですね。
マクドナルドが成功してるのは会社の資源が豊富だからです
資源というのは金、人、時間。要は大手ということ
資源の少ない小規模のビジネスで薄利多売なんてやってたら、体力尽きちゃうでしょ
こんなけ美容室があるのに、接客数を伸ばすのも至難の業です。広告費がどうしても多くなってしまいますね。
広告費かけずに自社メディアで集客するとしても、美容室という分母が多いわけだから絶対数は少なくなるし、そもそもブログやHPなどの自社メディアが作れない美容師が多いわけで(苦笑)
作れたとしても、ブログしこしこ更新したりしないといけないわけです。そんなことに時間使ってたら、時間という資源が枯渇します
もちろん、自社メディアは必須ですがそこにかける労力は、できれば少なくしたいものですしね
接客数をKSFとするのはどう考えてもイケてないです
しかし販売プロセスを見る限り、接客数がないと売上が立ちません。月に一定の客を呼ぶ必要はあります
ただ、客数を確保するのにコストはかけたくないわけで。
コストをかけずに客を呼ぶのであれば、リピート率を上げれば解決です。1つ目のKSFは再来店率ですね
客単価アップも販売プロセスを見る限りでは、KSFとしておいてよさそうです
問題は販売プロセスで、客単価アップの仕組みがない(美容師の能力頼り)ことですね
ということで、客単価アップの仕組みを販売プロセスに組み込めばよいわけです。
まとめると、売れる美容室のKSFは再来店率✕客単価ということがわかりました
再来店率と客単価をあげる仕組みを販売プロセスに組み込んでおけば、システム化が完了しちゃうわけですね。
売れる美容室の販売プロセス
では、再来店率と客単価を上げる仕組みを組み込んで、販売プロセスをシステム化してみます
こうですね。
まず来店する時点で「店に行く理由を明確化」にしておきます
これはどういうことかというと、例えば「当店はトリートメントにこだわっています!髪をツルツルにしましょう!ほら見てください、これが証拠です」という意味内容を含んだ宣伝をすればいいのです
そうすれば「髪がツルツルでない、傷んでいる、キレイにしたい人」が来店することになりますね
「客がなにしに来たのかが明確になっている」わけですよ
こうしておけばそれに合わせたメニューとマニュアルを作成すれば話は簡単です、もう図の通り。
売れない美容室って「誰でも来てください」なんですよね、それでは来る側も何しに来たのかわかりません
髪を切りに来ました。だけになります
美容室で髪を切るのなんか当たり前なので、それなら別にどこだっていいわけで。
来る理由を明確にして、それを叶えるサービスを提供すれば、再来店率が上がらないわけがありません
客単価も上げるのではなく、最初からほしい単価になるように設定しておけばスタッフに「客単あげろ!」とか言わなくてすみます
美容師は客単価上げるとなったらメニューの追加しか考えません
これ冷静に考えたらどんなに効率の悪いことか、わかるんですけどね(苦笑)
メニューを追加するにはまず理由が必要です、なぜこのメニューを追加する必要があるのか?
そして勧めなければいけません。この時点で客も美容師もストレスです
なによりカウンセリングに時間がかかる。
忘れがちなのがメニューを追加する=リスクがあがることです
カット+カラーできた人にパーマ勧めて気に入らなかったら失客率100%ですよ
「気にいるように腕を磨け」とかいうアホみたいなことはもう論外です
ここでは反論しません、アホすぎて相手にしてられない(苦笑)
毎回毎回、客単価上げるためにメニューの追加なんかしてたら客も疲れます
時間もかかるし金額も上がる、これにいつまでも付き合ってくれる。という前提はいかがなものか?と。
毎回メニューの追加なんかしてたら再来店率どーやっても下がるでしょうに。すくなくとも僕であれば3回以上は通いませんけどね
「またかよ・・・俺髪の毛切って染めてさっさと帰りてーんだけど!」となります。
そもそも論としてこれは美容師だからわかることですが、客の髪質でできることは決まってくるんですよね
そんな制約の中でメニューの追加とか限度があります。どう考えてもメニューの追加で単価あげるのはメリットないです
めんどくさいし時間食うしリスク上がるし単価は安定しないし。
客単価1万円ほしけりゃ、カット1万円、カットカラー15000円にしとけばいいんですよね。じゃあ客単12000円は出ますよ
で、それに見合ったサービスを考えると。
美容室経営はすべてが「なんとなく」で行われている事がほとんどです
すくなくとも僕が働いてた店はそうでした
「なんとなく」で売上なんかあがるわけありません。しっかりと戦略と戦術を作り込まなければ肉体労働の根性論なのです
それは人の未来を潰します。辞める美容師が多いとかいって放置してる時点でお里がしれてるんですよ。
これを書いてて思いましたが、僕は本当に美容師が嫌いのようですね(苦笑)
まじでやめる決断をしたのは良かったと思います。向いてないこと、嫌いなことを続けるなんて人生の浪費ですから。
その他のシステム化事例
この記事では美容室のシステム化の例でしたが、他の例は下記の記事をどうぞ
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