美容業界の現状と勝てる美容室経営の3パターン

美容師・美容室経営

こんにちは、齋藤です(プロフィールはこちら)

この記事では僕がいる美容業界について話します

「現状の業界の構造と、そこから逆算してどんな美容室が勝っているのか」

そんな話です

このブログは美容師の人のアクセスも結構あるのですが、美容師の人はそのまんま仕事に活かせると思います(特にこれから出店を考えてる人)

美容師じゃない人は分析の仕方や、知識として読んでもらえればと。

 

ビジネスで成功するパターンってだいたい同じです。成功パターンを知っておいて損することはありません

僕は自分の美容室を成功させましたが、ネットビジネス業界の成功パターンを逆輸入しましたからね

この記事で「おもしろい文章を書きたいなら念能力を鍛えろ!」という話をしたのですが、まさにそれですよ

念能力を鍛えるためには知識、雑学はかかせません。

今、美容業界はこんな感じである

まずは現状の美容業界、多くのサロンが陥っている状態について話しましょう

メインストリームとして語られるのはいつも闇の側面ですが、業界を語る上で闇と光の両面はかかせません。それを語れば業界が語れます

まずは「業界の闇」を語っていきます。美容師であれば心当たりがある事だらけでしょう(苦笑)

長時間労働と安月給

まず誰もが知っている、美容師の長時間労働と安月給です

だいたいは10時間労働で休憩なしもよくあり、給料は14万~20万程度

歩合制とは言われていますが、売上が上がらない店も多く実質歩合なんてつきようがないという店も。あっても3~5%とかです(笑)

いや、まあ歩合ついてるけどさあ・・・・。

福利厚生なし。も多い

僕は合計すると多分4回ぐらい働く美容室を変わりましたが、福利厚生がない店もありました

この頃は福利厚生のない美容室の方が多かったですね(今は法改正で罰則がつくのでかなり厳しくなってる)

労災保険料はこっちが負担するとかよくありました。違法だろ(苦笑)

僕が就職するときは福利厚生なんて問題にもなっていませんでしたが、今は学校側が「福利厚生のない美容室なんかいくな!」と言ってるみたいですね

学校に求人出す場合でも、福利厚生がないと相手にされないそうですから。

まあ国が社会保険料とりたいだけ、という側面のほうが大きい気がするけど(笑)

人としてやべえやつがいる

まあこれは美容室に限らずでしょうが、やべえ奴はどこにでもいますよね

個人的には人に恵まれましたが、友達からはとんでもない話を数多く聞かされたものです

僕が言いたいのはたった一言「人に対して冷たい人が多すぎる」

接客業なのに人に冷たいとかどうなのよ

給料遅れるとか意味わかんないし、技術もっとちゃんと見てやったり、40度の熱出て休む人にグダグダいうなクソ野郎と思います

普通の会社と違って組織も小さいし、仕事もスタッフと密に関わる業種なんだからもう少し人との接し方を考えたらどうかね?そもそもそんな接し方してたら客相手にも出るぞと思いますね。わざわざイライラする場を作らんでいいでしょうと。

スタイリストまで3年だが、それまでにもたない人が多い

美容師になってから客を担当するまでに、だいたい3年はかかります

それまでに辞めてしまう子がホントに多いし、なっても辞める人が多い

嫌になってやめるというのは「本人に根性がないからだ!」という論調がありますが、それはどうなの?って思います

労働環境が悪いのに続ける人なんて、多くないのはあたりまえなわけで。そもそも美容師の給料は生活するに十分とは言えません。

 

美容室は全国的に人材不足で求人してもなかなか人が来ませんし、継続勤務年数も1~3年くらいです

これでは人が育ちません。実際、美容師のレベルはかなり低くなっています

辞めるので人がいない、でも客を担当する人材は必要となると、下手くそでも客を担当させるわけですよ。でうまくなる前に辞めてしまうのです

そもそもレベルを上げるためには、ある程度の時間、体力、金が必要です。しかし労働環境悪いのにそこまやってらんないわけで。

 

技術の上手い人はかなり減ってしまい、人材不足で売上が上がらない

これでは売上なんて上がりようがありません。売上がなければ労働環境は悪くなります

負のスパイラルっぷりが半端ない。

店が乱立し、広告費アップと売上減少

ご存知の通り、美容室の数はかなり多いです。全国で24万件だったかな。ちなみに信号機は20万本です確か。

人口は変わらないのに店だけ増えるのでパイの奪い合いとなり、ドンドン薄まるカルピス状態です

そこで1人勝ちしないといけなくなるわけで。

 

しかしマーケティングの知識なんてほとんどの美容師が持っていないので1人勝ちできず、実際は大量の広告費を払い、売上は減少という形に落ち着きます

やってることは「新しい○○があります!」とか、ヘアモデルを載せて抽象的なキャッチフレーズがあるだけとか

要は技術を売ってるだけなのです(しかも先述の通り、下手くそな事が多い)

そもそも技術の良し悪しなんて、わかる消費者は多くありません

みんながみんな、髪の毛に対して意識高いわけじゃなし、審美眼がある人も多くないです。興味がない人、審美眼のない人に良品を売っても「いらねえよ!」なのです

そして広告を出す先は、みんな大好きホットペッパー。同じ媒体に同じようなこと書いてもドンドン薄まるカルピスなのです。

 

と、まあこんな感じの美容業界ですがまとめると、

長時間労働で給料安くて、福利厚生なくて、人としてヤベエやつもいて、上手い人が少ないから技術も学びにくいし、人材も不足して売上あげれないし、店は増えまくって顧客獲得単価は上がって売上は下がってる

こんな感じです。逆に言えば、これらを解消すれば輝く美容室になれるわけですね

ぼーっとしてたら業界の流れに飲まれてクソ美容室になるわけですが、頭使えば関係のない話になります。

成功する美容室の3パターン

ここまでで業界の負の側面を書きましたが、次はそれとは逆を話しましょう。闇があれば光があるもの

光は多くの人には見えず、闇の方がメインストリームとして語られるものですが光も業界の一部ですからね

光の側面を話さなければ、業界を話しきったとは言えません。負の側面を解消しているサロンの話をすれば、光の側面が語れます。

 

今、美容業界で勝ってる組織の取り組みとはいかなるものか?

一言で言うと「マーケティングと組織づくりに長けているサロン」ですが、これだけだと何を当たり前の話をしてるんだ。となると思いますので、もう少し具体的に突っ込んでおきましょう

(この時点で技術という要素がないのに注目)

 

僕の観点で言うと、3つの成功パターンがあります

・仕組み化しているサロン
・アイコン化しているサロン
・専門特化しているサロン

これらのパターンが今、成功している美容室の形です。

仕組み化しているサロン

仕組み化とは「システム化」という言葉で、何度かこのブログでも出てきている言葉です

簡単に言うと「誰がやっても同じ結果が出る状態が保証されている状態」の事です

記事にも書いたので、詳しくはそちらを読んでください

 

美容業界の問題点として大きなものが「売上が上がらない」事ですが、仕組み化によってこれを解決しているサロンがあります

売上があれば福利厚生もよくできるので、求人も強くなり、人材の確保ができます

システム化により、結果は保証されている状態なので経営も読みやすく、コピーも容易なので拡大もはやいです。僕が知っているサロンは3,4年で100店舗まで拡大した例も。

(そのサロンはパートでスタッフの年収400万、休みも多く、6時には帰宅できるという美容業界ではありえない待遇。当然求人は強く、ここで働かせてくれと言われるレベル)

 

美容室の仕組み化とは、ものすごくわかりやすく言うと美容師の「マクドナルド化」です

自由に接客させていたのを「トップが売りたい商品を決め、カウンセリングからアフターフォローまでをマニュアル化し徹底させる」という状態

集客はトップが行い、高単価に設定し、客を店に入れていけば、システム化により結果が保証されているので思惑通りの売上が出てくるわけですね

一部の美容師からは「ベルトコンベアーだ、美容師じゃない機械だ、クリエイティブじゃない」などと言われましたが、まあその結果でこんな状態なんだから、うるさいよって感じですよね(苦笑)

そもそもとして美容師になったからと言って、みんながクリエイティブでありたいわけではありません。明確な目標をもって美容師になる人なんてごく僅か

明確な目標も持って美容師になってるならもっと上手い人いっぱいいるし、潰れる店もこんなに多いはずないですよ。美容師という仕事に夢見すぎ。

 

仕事なんて多くの人にとっては「やりたくないけど仕方なくやるもの」なのです。クリエイティブとか求められてもウザいだけ

大学行ってサラリーマンになるのと同じ感覚で美容師になった人のほうが多いでしょう

大学行ってサラリーマン。それがたまたま美容学校行って美容師サラリーマン。というだけの話です

大衆の行動原理なんてそんなもんです。クリエイティブを求める美容師は大衆ではなく少数派です。それを万人に押し付けるから今の現状があるのですよ。

 

その大衆に快適に働く場を提供するという画期的な手法がシステム化なのです

社会主義的な民主主義の日本には最適な形ではないでしょうか?もちろん、こういった場に入って頭角を表す有能な人も数多くでてくるでしょう

そうなってくると組織として非常に堅牢なものになりますね

そもそもクリエイティブとはアーティストに必要なことで、ビジネスにはいりません。残念ながら。

アイコン化しているサロン

アイコン化とは「誰でも頭に浮かぶ状態」の事です

スマホと言えば?と聞かれたらiPhoneが頭に浮かぶ人がほとんどだと思いますが、これがアイコン化されている状態です

美容業界で言うアイコン化とはいわば「カリスマ美容室」で誰もが(客も美容師も)行きたくなるサロンになれば業界の闇なんて関係ありません

カリスマ美容室は大型店舗のイメージが強く、実際はそうなのですがネットの普及により小型店でも可能になりました

ネット上でカリスマ美容室になればいいのです。売上の規模は小さくはなりますがアイコン化は十分に可能です

フットワークが軽い分、逆に有利とすら思えます。

 

僕が知っているこのパターンの美容室はいくつかありますが、どこも見事にアイコン化されており「トップ美容師集団」の様相です

単価も高く、カット料金1万~3万。ちなみにカット料金3万にした時に、ツイッターで炎上してました

大きなお世話だろ。自分の店好きにして何が悪いんだという話ですよ(苦笑)

 

しかしアイコン化は相変わらず難易度は高く、可能性は広がりましたが誰でもこんな美容室を作れるわけではありません

条件もいくつかあり、第一として東京でないと無理だと感じます。アイコンになるためには、アイコン化された土地でなければいけないわけです

芸能人になって有名になる。みたいな話なので再現性という意味では高くありません。結果論的でもあり、目指すものではないような気もします

成功パターンの中でもこの例は稀ですね。しかし美容師が本気で好きであれば目指してみるもの良いでしょう

こういう店を作るか入社するかですが、入社のほうが難易度は低いですね。

専門特化しているサロン

最後に「専門特化」です。これは説明するまでもないですが1つの事しかやらない美容室です

美容室というのはやることがかなり多いです

カット、カラー、パーマ、縮毛矯正、エクステ、接客などはもちろん、はてはエステ、ネイル、ヘアセット、着付け、育毛、スパまで。

当たり前ですがこんなに色々やってると労力が分散してしまいどれも中途半端になりますし、消費者側からしても何がウリなのかがわからなくなります

こーいうコンビニサロンは往々にして売れてません。組織も人も疲弊してるだけです、コンビニは大手がやれば良いんです。

 

実はシステム化とアイコン化も専門特化を前提としています

僕が知っているシステム化サロンはトリートメントをウリにしていますね

トリートメントなんて誰でもできるし、効果がわかりやすいのでマニュアル化と技術の平均化が簡単です

アイコン化サロンはウリにするものは何でもいいのですが、例えば古いもので言えば「うちはデザインを売ってます!」的なメッセージを出し、アイコン化&専門特化をしています。僕が知っているアイコン化サロンは「美髪の職人集団」というのをウリにしていますね

専門特化は売れる美容室の大前提なのです。

 

システム化もアイコン化もしていない専門特化美容室は「専門特化サロン」に分類されます

3つの成功パターンで、もっとも職人肌の人達が多いですね

事実、このパターンでの成功例はマーケティングなどもあまり考えていない事が多く、やりたい放題してるだけで客が集まっています

ただし、個人的には専門特化してるだけでは後々きつくなると思います

このパターンは1人営業という美容室が多く、スタッフがいても少数精鋭。他の成功パターンよりもビジネスとしては堅牢でもなく、効率的とはいえません

僕の美容室も専門特化サロン(哲学をウリにしてる)ですが、ジリ貧だな・・・と思い、やめる事を決意しましたしね

美容が好きで、経営にあまり興味がない場合は、専門特化サロンとしてやっていくのも悪い選択ではないと思います

しかし、僕はリスクが高いかなと思っていますが。

 

この3つが現状の成功パターンです

まとめると仕組み化、アイコン化、専門特化

それぞれのメリットは効率が良い、人が集まりやすい、ウリが明確。デメリットは雇用が前提、難易度が高い、堅牢さ&効率が悪いといったところでしょうか

この3つのパターンに該当しない場合は風前の灯火美容室で、今はまだ持ってても緩やかに疲弊していきます。事実、そうやって縮小している美容室が数多くあるわけです

僕がいた美容室も全盛期は4店舗くらいあって、スタッフも50人近くいたみたいですけど、今や1店舗になりスタッフも4人とかです(苦笑)

こんな話をよく聞くのが今の美容業界。

 

【合わせて読みたい記事】

本気の人には良い時代

ここまでで美容業界の問題点と、それを打開している美容室の成功パターンを話しました

僕個人が思う、この闇と光の側面から言えることは「本気の人には良い時代になった」ことだと思います

美容師が好きで、学びさえすれば楽勝で勝てるし、作りたい店や表現したいことを人に伝えれる時代です

頭が化石の人達からすると、ツイッターとかブログとかわかんない!最近の若いやつは何を考えているんだ!といったところでしょうが、そういった古い人達は退場してもらったほうが良いのです。

 

選択肢も豊富になっている時代なので、働き方も増えるでしょう。今、出てきてるのがスタイリストにならない選択肢です

客を担当したくないアシスタントで構わない。という美容師もふえています

スタイリストが向いていないのであればやらなくても良く、プロアシスタントとして輝けばいいわけですからね

これまでのように美容師になれば「スタイリストになっていつかは独立」という、画一的な道しかない時代よりよほど良い

リーダーになりたい人はリーダーに。人についていきたい人は、ついていきたい人や店を選べる時代

居場所、ステージを自分で選べる時代です。

 

ダラダラなにも考えずに美容師やってる人は淘汰されますが、そうでない人にはいい時代だと思いますよ

今はまだ、その姿が見えてきた段階なのでまだまだ間に合うし、これからです

美容師は激戦だ!とかよく言われますが、僕的にはどこかがなの?超ブルーオーシャンじゃん。って感じ

僕の店の周りも美容室多いですが、気にしたことありません。哲学をウリにした美容室なんてないし、あったとしても僕の哲学とは違うので敵にすらならない

美容師が好きなら学び、行動すれば楽勝で勝てます

発信ができる媒体もあるし、異文化的なものを受け入れる時代性なのでおもしろい時代ですよ。

 

【合わせて読みたい記事】

美容師として独立していくのなら

「勝っている美容師がどんなことをやっているか」ということを話しましたが、まあシンプルなことなんですよ

美容師力があり、ビジネス知識があり、お金の管理ができるヤツが勝ってるだけです

大規模な美容室で勝つのはかなりの努力や向き不向き、運などもありますが、僕がオススメする独立の方法である「個人美容師」だと、一定の努力ができれば誰でも年収1000万くらいはいきます

だいたい1年くらいあれば独立までの準備ができますね

その方法論や知識は下記の記事で学べるので、独立して勝ちたい人はぜひしっかり学んでみてください

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齋藤慶太

齋藤慶太

27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営、情報発信ビジネス、メディア構築など、「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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齋藤慶太

齋藤慶太

27歳で美容室で起業し、年収200万から1000万へ。しかし美容師がおもんない&自分の思っていた人生ではないと感じ、情報発信で起業し直すことに。美容室経営・情報発信ビジネス・メディア構築など「個人で稼ぐ」ためのスキルやマインドセットを発信しています。

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